ブラジル、インフレ率低下が底打ちしたら | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル、インフレ率低下が底打ちしたら 中南米 ブラジル

ブラジルはインフレ率の低下、レアル安定を背景に政策金利の低下が続いています。今後、ブラジルのインフレ率の低下が底打ちに近いとするならば、政策金利の引下げ継続には構造改革の進展が鍵になると見られます。

ブラジル拡大消費者物価指数(IPCA-15):前月比でプラス0.35%上昇

ブラジル地理統計資料院(IBGE)が2017年8月23日に発表した8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は前年同月比では2.68%と、市場予想(2.73%)、前月(2.78%)を下回りました。

前月比ではプラス0.35%と、市場予想(0.40%)を下回りましたが、前月(マイナス0.18%)を上回りました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:IPCA、政策金利、構造改革、TLP

ブラジルはインフレ率の低下、レアル安定を背景に政策金利の引下げが続いています(図表2参照)。今後、ブラジルのインフレ率の低下が底打ちに近いとするならば、政策金利の引下げ継続には構造改革の進展が鍵になると見られます。

まず、ブラジルの2つの見通し(インフレ率と政策金利)に注目します。インフレ率予想は国際通貨基金(IMF)の見通しを参照すると、2020年までを見渡しても年平均4%台での推移が見込まれています。2017年年初から8月までのインフレ率実績値の平均値を見ると概ね4%半ばであることから、現状程度のインフレ環境が当面続くことが想定されています。

政策金利は2017年末で7.5%~8.5%程度が見込まれている模様です。ブラジル中銀は過去4回の金融政策会合で連続して1%引下げています。年内予定されている会合は残り3回ですが、現在(8月24日)の9.25%から6.25%まで引き下げるという予想は見当たりません。インフレ率低下による政策金利引下げ効果は先々、徐々に低下が見込まれます。

ブラジルの景気回復は鈍く、金融緩和は必要ですが、単なる利下げでは通貨安が懸念されます。通貨価値を維持しての利下げの鍵は構造改革の進展と見ており、以降、具体例を列挙します。例えば、8月15日にブラジル政府は、2017年と2018年のプライマリー赤字の目標を各1590億レアルに、従来の政府目標である17年の1390億レアル、18年の1290億レアルから拡大(悪化)させると発表しました。軟調な景気回復による歳入不足を素直に認めた格好です。しかし、同時に政府は公務員の昇給を1年凍結するなど埋め合わせも発表しています。2~3年前のレアル安局面のように、財政目標を後退させるたびにレアル安が進行していた頃とは違いも感じます。

23日にはブラジル議会委員会がブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)の融資に適用される長期貸出金利(TLP)を廃止し、新たなシステムに変更する法案を可決しました。TLPはいわば補助金で、財政負担の軽減が期待されます。

格付け会社もブラジルの構造改革に注目しています。5月にテメル大統領の汚職疑惑などを背景にネガティブウォッチ(格下げ方向で検討)を付与したスタンダード&プアーズ(S&P)は構造改革を進めているテメル大統領の裁判が回避されたとして15日に、ネガティブウォッチを取り除き、ブラジルの評価を若干改善させました。なお、S&Pはブラジルの構造問題として、過剰な年金給付を最大の課題として、進展が無いと評価しています。また、TLP改革も進んでいないと見ていただけに、ブラジル政府の対応に対する見方が変わるか注目しています。

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