メキシコ、何故? | ピクテ投信投資顧問株式会社

メキシコ、何故? 梅澤利文 中南米

足元、メキシコペソ安が進行した背景は北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方が不透明となったことが最大の要因と見られます。メインシナリオとは考えにくいものの、再交渉決裂の可能性は以前より高まったと思われます。

メキシコペソ:過去1ヵ月の対ドルレートの騰落率、主な新興国の中で下位に

主な新興国通貨の対ドルレートの騰落率を見ると(図表1参照)、上位には銅価格回復を受けたチリペソ、原油価格回復などを受けたロシアルーブルが上位に顔を出しています。
一方、下位には対米関係悪化が懸念されたトルコリラなどが顔をそろえる中、メキシコペソのパフォーマンスが悪化しています。

どこに注目すべきか:NAFTA再交渉、原産地規則、サンセット条項

足元、メキシコペソ安が進行した背景は北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方が不透明となったことが最大の要因と見られます。メインシナリオとは考えにくいものの、再交渉決裂の可能性は以前よりは高まってきたように思われます。

足元のペソ安は、メキシコ当局にとり、やりきれない思いであると思われます。例えば、メキシコ中銀は消費者物価(CPI)の悪化(上昇)を抑えるため政策金利を引き上げ、9月のCPIは前年同月比6.4%と前月(6.7%)を下回りました(図表2参照)。メキシコ中銀の議事録にあるように、ペソが安定していれば利上げの必要は無く、インフレ率の低下も期待できただけに今後のペソの動向が気になるところです。

そこで、NAFTA再交渉の行方が当面の注目点となります。

NAFTA再交渉がこじれた背景は、対メキシコ貿易赤字を減らすことを目的に、米国が攻撃的(無茶)な条件を、メキシコに要求した模様です。

まず、貿易関連では、域内の部品調達比率を定めた「原産地規則」の引き上げが提案されています。例えば自動車であれば62.5%以上の部材を域内3ヵ国(米、カナダ、メキシコ)で調達すれば無関税になりますが、この比率を85%に引き上げる案が米国から提案されたと報道されています。さらに、米国は米国製部材を50%以上使うことも求めています。
また提案には5年ごとに合意事項の見直しを行う「サンセット条項」が含まれ、こちらも受入れがたい内容と見られます。

交渉の成否は、米国の提案する悪条件を受け入れた方が得かどうか意見が分かれ、メキシコ経済界の一部には拒否すべきとの声も聞かれます。仮にNAFTA再交渉が決裂した場合を考えると、メキシコから米国への輸出にはWTO(世界貿易機関)の規則に基づき、最恵国(MFN)待遇関税が適用されることになり、少なくとも新たな関税との調整分(市場の推計では5%を越える)の調整が想定されます。
NAFTA再交渉の行方を占うことは、交渉ごとゆえ不透明ですが、メインシナリオではないにせよ、決裂の可能性は以前よりは高まってきたように思われます。

 

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