ニュージーランド連立政権、期待と不安 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ニュージーランド連立政権、期待と不安 オセアニア

NZの連立工作により、労働党は9年ぶりに政権復帰、アーダーン党首が首相に就任する見込みで、党首の若さなど変化という点では新鮮な政権です。ただ為替市場ではNZドルは下落しており、祝福ムードとはなりませんでした。

ニュージーランド連立政権工作:NZファースト党の支持で、労働党が政権樹立へ

ニュージーランド(NZ)ファースト党は2017年10月19日に第2党の労働党と連立協議で合意したため、ニュージーランドでは9年ぶりに政権交代が行われることになりました。9月23日の総選挙(一院制、定数120)では与党(当時)国民党が56議席を獲得し第1党となったものの、単独過半数を得られず、その後連立工作が続けられ、第3党のNZファースト党と連立交渉を進めていました。しかし、NZファースト党首は労働党と協力し政権樹立することを決めました。第4党の緑の党は、労働党との政権協力に閣外協力で合意と見られ、連立政権の骨格が固まりました。NZドルは保護主義的な政策への懸念で下落しました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:NZ総選挙、連立工作、移民政策

NZの連立工作により、労働党は9年ぶりに政権復帰、アーダーン党首が首相に就任する見込みで、党首の若さなど変化という点では新鮮で、期待される政権ですが、為替市場ではNZドルは下落しており、祝福ムードとはなりませんでした。

労働党主体の政権に対し、為替市場が懸念した背景に、左派政権の無駄遣い、市場への介入といったイメージ的な懸念もあるようです。ただ、選挙戦からこれまでの流れを見ると、次のような懸念も見られます。

NZの選挙戦は国民党と労働党との2大勢力で争われる構図で2011、14年の選挙が戦われましたが、労働党は劣勢で、今回の選挙でも、党首交代で若いアーダーン党首が選出されるまで苦戦を強いられていました。税制など基本政策が定まらなかったためです。政策が深まらない中で、NZファースト党や緑の党との連立には、一抹の不安もあります。

次に、政策内容では、移民抑制など保護主義的政策が早期に実施される可能性がある点も懸念されます。NZの移民は住宅価格を上昇させた面もあり、国民の不満は確かに高まっていたわけで、対応は必要と見られます。懸念されるのは、NZファーストは過激な移民抑制を訴えていることです。移民の増加は、一方で労働者数もしくは労働人口の増加と経済成長要因とも見られます(図表2参照)。NZの失業率が4.8%と低水準である中、労働党や緑の党は小幅な移民の抑制にとどめたい考えのようです。今後の展開に注意が必要と見られます。

基本的に左派政権ゆえ、貿易面では環太平洋経済連携協定(TPP)について、労働党が再交渉の必要性を訴えているのに比べ、NZファースト、緑の党は反対であるのも気がかりです。

欧州同様、NZでも移民が選挙の争点となりました。単純に白黒つけがたい問題で、何が正解かはわかりません。国民の意思が反映された選挙の結果に応じて、移民政策が運営されるというのがベストの対応とは思われます。その点、連立工作により形成されたと政権とNZ国民の意思に相違が無いか、注視は必要と見ています。

 

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