ベネズエラ、対外債務保有者と交渉へ | ピクテ投信投資顧問株式会社

ベネズエラ、対外債務保有者と交渉へ 中南米

ベネズエラは2017年11月2日PDVSA債の返済は行うも、今後、他の債務について債務再編を示唆、選択的な債務不履行の可能性が高まりました。ただ、警戒は必要ながら、国際資本市場への影響は小さい可能性もあります。

ベネズエラ:対外債務の再編要請で、格付け会社が相次いで格下げ

ベネズエラ政府は2017年11月2日、国営ベネズエラ石油(PDVSA)の元本返済(11億ドル:約1254億円)を実施した後に同国の(他の)対外債務の再編を求める方針を表明しました。

ベネズエラが今後の対外債務について銀行や投資家と再交渉(予定は11月13日)を行う考えを示したことを受け、格付会社のスタンダード&プアーズ(S&P)はベネズエラを格下げ(外貨建て長期債)すると共に、ネガティブウォッチ(格下げ方向で検討)を付与し、フィッチ・レーティングスもベネズエラを格下げしました。

どこに注目すべきか:PDVSA債、経済制裁、外貨準備高、流動性

ベネズエラのマドゥロ大統領は2017年11月2日が償還期限(利率8.5%)のPDVSA債の返済は行うも、今後、他の債務について、内容は不明瞭ながら、債務再編を示唆しました。選択的債務不履行(デフォルト)の可能性が高まったと見られます。ただ、警戒は必要ですが、国際資本市場への影響は小さい可能性もあります。

まず、ベネズエラの経済状況を振り返ると、債務を返済するには極めて厳しい状況です。原油の埋蔵量は最大手でありながら、原油価格の下落と放漫な財政運営の結果、財政を黒字化させる原油価格は、他の産油国に比べ高くなっています。さらにマドゥロ政権が議会の立法権を剥奪するなど独裁色を強めたことに対する米国の経済制裁で、ベネズエラの債券取引が制約を受けたことも重荷となったと見られます(ベネズエラ債券の投資家の過半は米国投資家と見られます)。

その結果、ベネズエラの外貨準備高(債務返済の原資と見られる)は減少傾向で、11月には100億ドルを下回り(図表1参照)、流動性(外貨準備高と対外流動資産の合計と1年以内の対外債務の割合)は悪化しています。一方で、ベネズエラの対外支払いは2017年残り2ヵ月で約6.2億ドル、2018年は約33.5億ドルが見込まれています。格付け会社は選択的デフォルトも視野に入れた対応となっています。

今後想定されるシナリオとしては、ベネズエラ政府と債券保有者の間で返済条件の緩和を交渉し、債務再編により(選択的)デフォルトとなることが想定されます。ただ、ウルトラCとして、中国、ロシアの金融支援による返済もシナリオとしては考えられます。

万一、デフォルトとなった場合の国際資本市場への影響ですが、過去国際的な問題となったアルゼンチンやメキシコが新興国市場で危機当時1割以上のシェアを占めていたのに比べ、ベネズエラの市場におけるシェアは低水準です(図表2参照)。

また、ベネズエラの状況は市場で相当に織り込まれており、ショックは抑えられるかもしれません。なお、投資家の保有状況を見ると、幅広い投資家に保有されており、国際的な新興国債券指数にベネズエラが組み込まれているため、浅く広く保有されている模様です。ベネズエラ政府の意図は不明ですが、まずは債券保有者との交渉が次の注目点と見られます。

 

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