南ア、土俵際の粘りを見せるも前途は多難 | ピクテ投信投資顧問株式会社

南ア、土俵際の粘りを見せるも前途は多難 アフリカ

注目されていた、S&Pとムーディーズによる南アの国債格付け定期レビューの結果で、S&Pは格下げするも、ムーディーズは据え置きとなり、ランド、南ア国債市場は反発しました。ただし、南アの前途は多難と思われます。

南アフリカ格付け:ムーディーズは格付け据置くも、投資不適格級に引き下げも

米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は2017年11月24日、南アフリカ共和国(南ア)の自国通貨建て長期債格付けをBBB-からBB+に、外貨建て長期債格付けをBB+からBBに格下げしました。見通しは安定的(ステーブル)としています。また、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)も注目された南アの自国通貨建て長期債格付けに対し、引き下げ方向で見直すネガティブウォッチを付与しましたが、格付けはBaa3(BBB-に相当)に据置きました。

どこに注目すべきか:投資適格格付け、予算案、失業率、ANC党首

注目されていた、S&Pとムーディーズによる南アの国債格付け定期レビューの結果で、S&Pは格下げするも、ムーディーズは(ネガティブウォッチながら)据え置きとなり、ランド、南ア国債市場は反発しました(図表1参照)。ただし、南アの前途は多難と思われます。

まず、格付け公表後に見られた市場の反発は、とりあえずムーディーズが投資適格級格付け(BBB-以上)に据置いたことで主要な新興国債券指数を対象とする年金などの投資家から機械的な格下げによる売り(報道などでは100億ドル程度と見積もられている)が目先は見送られるとの思惑、もしくは格下げを見越したショートポジションの整理といった短期的要因が背景と思われます。

しかし南アの短期的な改善は厳しい状況です。ムーディーズは格下げ方向で見直す判断材料として18年2月の予算案の改善内容に最も注目する模様で、南アに残された時間は限られています。南ア政府も財政悪化を想定しており、今年2月に公表された17年予算案では財政赤字対GDP(国内総生産)比率は3%程度でしたが、10月に公表した中期財政計画では同比率は4%程度へと悪化を見込んでいます(図表2参照)。

GDP対比で見た南アの財政指標が悪化している背景には南アの不安定な状況から投資が控えられ、GDP成長率が1%程度と低水準なことと、失業率も約28%と高く、貧困率も上昇したことで歳出が増えるという悪循環に直面しているためです。

金融政策は、7月に利下げをしましたが、5%前後のインフレ率とランド安懸念もある中、失敗との見方もあり、当面利下げは考えにくいと思われます。

なお、短期的には、2017年12月後半に予定されている与党アフリカ民族会議(ANC)党首選に注目しています。改革派でアパルトヘイト撤廃の功労者とも言われるラマポーザ現副大統領が有利との期待もあるからです。もっとも党首選はズマ現大統領のポピュリスト的な政策を継承すると見られる元妻のドラミニ・ズマ氏が相手で、厳しい戦いが見込まれます。そのうえ現職のズマ大統領の任期も2019年5月まで残されており、仮に選挙で勝利しても、体制変更に時間が必要と見られます。

 

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