2018年の欧州政治動向を占う | ピクテ投信投資顧問株式会社

2018年の欧州政治動向を占う 欧州/ユーロ圏 ドイツ

欧州の2018年の選挙スケジュールを見ると、16年の英国のEU離脱を問う国民投票や、今年のドイツ、フランスの選挙といった大物は見当たりませんが、そのような中、18年の欧州政治は過去の選挙の後始末に左右されそうです。

ドイツ連立政権交渉:主要3政党、連立巡り、18年1月に予備協議を開始すると公式発表

ドイツのメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)は、新政権樹立に関する予備協議を2018年1月7日に開始することを、3党会合後に共同で発表しました。

3党は1月12日までに暫定合意に達することを目指すとしています。合意形成が必要になりそうな政策分野として、財政や税制、欧州、エネルギー・気候変動など15分野をあげています。

どこに注目すべきか:EU離脱交渉、国民投票、連立交渉、移転同盟

欧州の2018年の政治動向を占うにあたり、選挙スケジュールを見てみると(図表1参照)、16年の英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票や、今年のドイツ、フランスの選挙といった大物は見あたリません。そのような中、18年の欧州政治は過去の選挙の後始末に左右されそうです。

まず、英国のEU離脱交渉の行方に18年も注目しています。

ポイントは2つあり、1つ目は交渉の進展度合いです。交渉内容には離脱条件の交渉で先送りしたアイルランド国境問題、次の通商交渉では英国とEUの新たな関係が模索されることとなりますが、内容は多岐に渡ります。離脱条件合意後もポンドの動きが鈍いのは、市場は今後の交渉についてなお懐疑的と見ているためと思われます(図表2参照)。交渉の期限が19年3月であることを考えれば、来年の早い時期に交渉の先行きが見渡せないようでは、英国でのビジネスに不安が高まる可能性もあります。

2つ目のポイントは、ひょっとするとEU離脱再考を求める声が英国内で高まる可能性もあります。すでに世論調査では、EU離脱不支持が支持を上回るケースも見られます(国民投票に行かなかった人に不支持の傾向が見られます)。マスコミの一部もEU離脱再考を訴えています。離脱手続きを進めている英メイ政権の弱体化も気がかりです。もっとも、手続き上、離脱再考の実現可能性があるのか、疑問は残ります。

次に、ドイツの連立交渉の行方にも注目しています。メルケル首相は連立政権の交渉相手を交渉が決裂した緑の党や自由民主党からSPDに変え、再び大連立を模索する流れです。シナリオとしては、①大連立で合意、②SPDの閣外協力、③交渉決裂が考えられます。交渉の結論は神のみぞ知るところですが、注目したいのはCDU/CSUとSPDでは財政政策、突き詰めれば欧州統合の姿が異なっています。CDU/CSUは財政規律を重視するのに対し、SPDは(ある程度の)財政拡張を支持とスタンスが異なります。この違いは欧州統合の姿にも影響し、CDU/CSUは関税撤廃など自由主義経済と規律を重視する「関税同盟」を志向しています。一方、SPDは欧州の共通財政の必要性を訴えるなど「移転同盟(国境を越えた税の移転)」を支持していると見られます。その意味でSPDは、EU共通財政を訴えた仏マクロン大統領の考えに近いとも見られます。

ドイツの連立協議の動向は先の①~③のどのシナリオに落ち着くかが年初の関心です。一方、中長期的課題ながら、欧州統合のあるべき姿に来年議論が深まることも期待しています。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る