2018年、中国は安定化重視に取り組む見込み | ピクテ投信投資顧問株式会社

2018年、中国は安定化重視に取り組む見込み アジア 中国

中国の経済政策は、年末の中央経済工作会議に続き、3月ごろ開催される全国人民代表大会で成長率目標が公表されるのが通常です。2018年は経済成長率目標に加え、経済の安定性に注目が集まる展開が想定されます。

中国中央経済工作会議閉幕:今後3年は金融リスク抑制に重点

中国共産党と政府幹部らが2018年の経済運営方針を決める中央経済工作会議が2017年12月18日~20日の日程で開催されました。2期目となる習近平(シー・ジンピン)指導部が発足して初めての中央経済工作会議となります。声明で18年の方針として金融リスク、環境汚染、貧困の「3つの戦い」に来年から、重点的に取り組むと表明しています。金融政策については18年も「慎重かつ中立」が維持される模様です。

どこに注目すべきか:中央経済工作会議、過剰債務、安定化、IMF

中国の経済政策は、翌年の運営方針を決める中央経済工作会議(年末開催)に続き、3月ごろ開催される全国人民代表大会(全人代)で成長率目標が公表されるのが通常です。

2018年は経済成長率目標に加え、経済の安定性に向けた政策運営方法に注目が集まる展開が想定されます。

2018年の中国経済を占ううえで以下の点に注目しています。

まず、中国を取り巻く経済環境は、17年の堅実なGDP(国内総生産)成長率を支えた要因が18年も概ね継続すると見ています。例えば、世界経済全般の回復傾向と堅調なアジア諸国の景気回復を背景とした貿易拡大、穏やかなインフレ率の持続、急激な金融引き締め回避などの継続が想定されます。一方、過去において、景気の下支え要因となっていた不動産投資や、過剰債務については経済安定化重視の立場から削減が見込まれるため、中国の18年のGDP成長率は17年を小幅(0.2%程度)下回ると予想しています。

そこで、中央経済工作会議などを参照に、18年の経済成長率を安定化させるためのポイントは以下の通りです。

金融リスク抑制方針として、18年は銀行貸し出しや企業の資金調達の伸び圧縮が示されました。銀行貸し出しや銀行を迂回した融資は高い伸びが続いており、伸び率を合理的水準に抑制する方針と見られます。レバレッジ縮小など借手の債務削減より、供給を絞ることを重視する方針のようです。

信用の伸びを抑えることは経済の効率を改善する可能性があります。例えば、国際通貨基金(IMF)が最近公表(算出)した中国の信用乗数はほぼゼロで、リーマンショック前に比べ大幅に低下しています。貸し出しの増加は、成長への貢献が限られる一方、信用リスクは増大する格好となっています。

中国の債務残高を部門別に見ると国有企業を含む非金融機関が大半です(図表1参照)。来年も国有企業への債務削減圧力が続くものと見られます。

加えて、家計部門の債務も増加傾向です。家計部門には、オンライン融資のように、個人の株式投機の資金源も含まれていると見られます。これに対し中国当局は、最近オンラインのマイクロ融資業者に対し規制を強化し、無認可の融資を禁止するとともに、借り入れコストに上限を設けるなどの対応をとりました。インフレ率が低い環境で、一部の投機に対し利上げで資金を絞るより効果的な対応と思われ、18年の金融政策を中立とするなら、有効性も高いように思われます。

なお、IMFは12月7日に発表した金融セクター評価プログラム(FSAP)報告書で経済成長重視よりも金融安定を優先すべきと述べています。成長速度でなく質を重視する点で中央経済工作会議や、最近の当局の経済運営は、IMFの提言に沿うものです。共産党大会を経て権力基盤が固まった習近平体制の中国、安定化に向け、何やら本気度が高い印象です。

(※今年も1年間ご愛読いただきありがとうございました。2018年も引き続き、よろしくお願いいたします。)

 

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