2018年、アメとムチを思わせる中国の流動性供給 | ピクテ投信投資顧問株式会社

2018年、アメとムチを思わせる中国の流動性供給 中国

中国人民銀が資金需要が高まる旧正月前に流動性対応を公表しました。公表時期が早かったことなどから短期金融市場で利回り低下が見られましたが、人民銀の政策姿勢は、基本中立で必要に応じ対応する方針と見ています。

臨時流動性対策を設定:中国人民銀、旧正月に向け流動性確保

中国人民銀行(中央銀行)は2017年12月29日声明で、一部の銀行は預金準備率を30日間、最大2%引き下げることができる臨時流動性対策(TFL)を発表しました(主要行の預金準備率は現在17%)。

旧正月に向けて銀行の手元資金を厚めにする狙いと見られ、人民銀は旧正月(2月15日~21日)前後の短期金融市場での円滑なオペ(公開市場操作)や、金融機関のサービスの支援につながると説明しています。

どこに注目すべきか:臨時流動性対策、全国財政工作会議、PMI

中国人民銀が資金需要が高まる旧正月前に流動性対応を実施することは珍しくありませんが、今回は公表時期が早かったことなどから短期金融市場などで利回り低下が見られました(図表1参照)。ただ、人民銀の金融政策姿勢は、基本中立ながら、必要に応じて対応する方針と見ています。

まず、今回のTFLにより利回りが低下した背景を確認すると、17年の1月20日と旧正月(17年は1月27日~2月2日)の1週間前に公表された昨年のTFLに比べ発表時期が早かったこと、規模(供給される資金)が大きいと見られることなどがあげられます。規模については、報道等で1.5~1.8兆元程度と見込まれており、通常の倍程度の規模と見られます。

しかし、中国の金融政策の基本方針は中立ながら、安定化に向けて必要な対応(一時的な資金供給)を取り続ける姿勢には、次の点から変更はないと思われます。

昨年の中国共産党大会で示された安定化の総論は、その後に開催された各論が検討される他の会議でも一貫しているとみられます。例えば、12月29日に公表された、中国財政省の来年の優先政策を話し合う全国財政工作会議では重大なリスク阻止とその影響軽減に財政支援の重点を置くとして、地方政府の債務リスク管理、違法な融資保証の禁止、政府投資基金や官民パートナーシップ(PPP)などを語った借り入れの禁止に重点を置くことが示されています。

次に、中国の経済状況も当面の金融政策の中立を支持すると見られます。例えば足元公表された中国の12月製造業購買担当者景気指数(PMI)は中小企業の構成割合が高い財新製造業PMIが51.5と、景気拡大・縮小の目安となる50を上回るとともに、市場予想、前月を上回っています(図表2参照)。12月の中国政府系製造業PMIも51.6と50は上回っており、金融緩和の差し迫った必要性は見出しにくい状況です。ただ、政府系製造業PMIは前月を下回っていることや、内容を見ると、生産や新規受注が低下する一方、指数を下支えしたのは投入価格や生産価格である点はやや気がかりで、金融引き締めも考えにくい状況です。

流動性供給について、中国は昨年、供給の直後に吸収とわかりにくい政策を実施しています。必要に応じて中国当局が柔軟な対応をした結果と思われます。中立姿勢の中、柔軟な対応がより増えることも想定される中、投資家には慎重な対応を、当局には説明責任が問われると見ています。

 

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