日銀国債買い入れオペ減額の波紋について | ピクテ投信投資顧問株式会社

日銀国債買い入れオペ減額の波紋について 日本 アジア

日銀の国債買い入れオペが予想外の減額となったことで国債利回りに小幅ながら上昇圧力が見られました。日銀の本格的な政策変更とは思われないものの、日銀の金融正常化に市場が神経質であることが浮き彫りとなりました。

日銀の国債買い入れ:超長期ゾーンを減額10年超25年以下では1年ぶり

日本銀行は2018年1月9日午前の金融調節で、残存10年超から25年以下の国債買い入れ額を前回に比べ100億円減額の1900億円と通知しました。同ゾーンの減額は16年12月28日以来となります(図表1参照)。また、残存25年超となる超長期ゾーンの国債買い入れオペは、前回の900億円から100億円減額して800億円と、17年11月24日以来の減額を通知しました。オペ通知を受けて超長期日本国債利回りなどが上昇しました。

どこに注目すべきか:国債買い入れオペ、YCC、減額、金融正常化

日銀の国債買い入れオペが予想外の減額となったことで、米国国債も含め、国債利回りに小幅ながら上昇圧力が見られました。日銀の本格的な政策変更とは思われないものの、いつかは訪れるであろう日銀の金融正常化に、市場が神経質であることを認識させる動きとも見られます。

まず、改めて日銀の国債買い入れオペを振り返ると、長期国債の購入については「10年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期国債の買い入れを行う。買い入れ額については、概ね現状程度の買い入れペース(保有残高の増加額年間約80兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現する」といった運営方針を日銀が説明しています。

もっとも、金融政策の主役はイールドカーブ・コントロール(YCC)で、国債買い入れオペは主役の座から降りた格好ですが、購入額の変化には依然市場は注意を払っています。

今回の減額がサプライズとなった主な理由は次の点です。

まず、変更はないという安心感が市場にあったことです。日銀は月末に翌月の国債買い入れオペの運営方針を公表しています。17年12月末に公表された18年1月の方針では、残存10年超25年以下の1回の買い入れ額のレンジは1500億~2500億円、残存25年超は500億~1500億円と、昨年12月と同じ範囲に据え置かれていたことなどから、今回の変更はないという予想(安心感)が見られました。

次にタイミングも意外だった点です。10日に10年国債入札がある直前での減額は意外なタイミングでした。

一方で、日本のインフレ動向からは日銀が政策方針を変更する積極的な理由も見出しがたいと思われます。また、18年度の国債発行総額が当初ベースで減額する方針であることを踏まえれば、日銀のオペが減るのももっともかもしれません。

ただ、日銀の国債購入ペースは以前の年80兆円台から、足元60兆円台へと低下しています(図表2参照)。公式には80兆円を残しつつ、静かに残高を減らすステルス・テーパリングとも呼ばれる状況が進行する中での減額とも見られます。

今回の減額の教訓は、金融正常化について日銀と市場との対話の難しさを感じさせます。その点で、まだ先のことかも知れませんが、今後の日銀のメッセージには注視が必要です。

 

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