先行きが気になる、中国貿易統計 | ピクテ投信投資顧問株式会社

先行きが気になる、中国貿易統計 中国 アジア

中国の12月貿易統計は、輸入ペースの減少がややサプライズとなりました。中国当局の規制、例えば冬の生産規制で鉄鋼等の素材関連産業に軟調な動きが見られるなど、規制を反映した動きが輸入低下の背景と見られます。

中国12月貿易統計:輸出は市場予想並みとなるも、輸入は1年ぶりの低い伸び

中国税関総署が2018年1月12日に発表した17年12月の貿易統計(ドル建て)は、輸出が前年同月比10.9%と、市場予想(10.8%)とほぼ一致しました。一方、輸入は前年同月比4.5%と16年12月(3.1%)以来の低い伸びとなり、市場予想(15.1%)を大幅に下回りました。この結果、貿易収支は約547億ドルと大幅に増加しました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:中国貿易統計、生産規制、対米黒字

中国の12月貿易統計は、輸入ペースの減少がややサプライズとなりました。中国当局の規制、例えば燃料の天然ガスへの切り替えや、冬の生産規制で鉄鋼等の素材関連産業に軟調な動きが見られるなど、規制を反映した動きが輸入低下の背景と見られます。

中国12月貿易統計のポイントは次の通りです。

まず、輸入ペースが減速した背景に、中国当局の政策が反映した可能性が考えられます。例えば、中国は深刻な大気汚染対策の一環として、鉄やアルミなど一部生産工場に大気汚染が深刻となる冬季の操業停止を命じたため、商品(原材料)輸入が減少した可能性があります。輸入品目の足元の推移を見ても、鉄鉱石、銅などに規制の影響がうかがえます(図表2参照)。なお、石炭の輸入金額が前月比で増加していますが、これも規制の影響と思われます。中国ではこの冬、住宅暖房や工場燃料の天然ガスへの転換を推進しています(天然ガスの輸入は急増している)が、不足気味であったため、急きょ石炭を輸入したことが増加要因と見られます。

次に、輸出は堅調な伸びを維持しつつ、輸入の伸びが低下したため結果として貿易収支は黒字が拡大しました。純輸出プラスの点では中国の経済成長率にプラスですが、中国経済の大半を占める消費や国内生産が減速すれば全体ではマイナス要因となる可能性もあり、今週公表される10-12月期GDP(国内総生産)で確認が必要です。ただ、より懸念されるのは、中国の貿易黒字拡大は米国との貿易摩擦を悪化させる懸念もあります。中国の対米黒字は17年に輸出が4297億ドル、輸入が1539億ドルであったことから2758億ドルと、前年比1割程度増加しているためです。

今回の輸入の減速は当局の冬季の規制を反映した面もあるため、影響は一時的かもしれません。しかし、中国の特に対米黒字拡大は貿易摩擦の悪化と裏腹である点に注意は必要と思われます。市場では、人民元高へ圧力が残りやすい環境も想定されるなど、今後の中国の貿易動向に注意が必要です。

 

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