若干、緩和の可能性を示したブラジル中銀議事要旨だが | ピクテ投信投資顧問株式会社

若干、緩和の可能性を示したブラジル中銀議事要旨だが 中南米

先週、当レポートで、南米のインフレ率の動向の共通要因として、食料価格の動向や、通貨などの影響を述べました。ただ、個別国の固有事情もインフレ率に影響を与え、ブラジルでは構造改革の動向に注目が必要です。

ブラジル中銀:政策金利を引き下げ。緩和終了を巡り、声明文と議事要旨に微妙な差

ブラジル中央銀行は2018年2月6~7日に金融政策委員会を開催、政策金利を7.00%から0.25%引き下げ、過去最低の6.75%とすることを公表しました(図表1参照)。17年12月の0.5%引き下げに続く利下げにより、政策金利は16年10月以降、合計7.50%引き下げられました。ブラジル中銀は声明で、今回の利下げをもって緩和サイクルを停止させる可能性を示唆しました。

なお、ブラジル中銀は2月15日に、今回の金融政策委員会の議事要旨を公表しました。声明文同様、次回3月20~21日の金融政策委員会では据え置きの可能性が高い方針を繰り返しつつも、次回会合での利下げの可能性が声明文よりも若干高いことを示唆させる表現も見られます。

どこに注目すべきか:ブラジル金融政策、公共料金、構造改革

先週、「今日のヘッドライン:18年2月16日号」で、南米のインフレ率の動向の共通要因について述べました。ブラジルのインフレ率も、当然、共通要因である食料価格の動向や、通貨などの影響を受けます。ただ、個別の国では、その国の固有事情もインフレ率に影響を与えます。ブラジルのケースでは構造改革の動向がインフレ率の先行きを占う上で、考慮する要因のひとつであることがあげられます。

まず、誤解を避けるために強調すると、声明文と議事要旨は基本同じ内容です。例えば、ブラジル中銀のインフレ見通しは共に18年、19年が4.2%程度と明記されています。足元のインフレ率(2.86%)から緩やかに上昇する展開が想定されています(図表2参照)。レアル高などを背景に輸入物価指数は低下していましたが、すでに底打ちが見られます。また、議事要旨でブラジル中銀は公共料金など管理価格を18年にはやや高めの水準に想定しています。

また、過去の食品価格の下落が2次効果としてインフレ率を引き下げる可能性に言及するなど、インフレ率の方向は両サイドである点も声明、議事要旨で指摘しています。

そのような中、議事要旨では、利下げの可能性として、構造改革が進展した場合の柔軟性(利下げの余地)を残した点で、若干声明文に比べ緩和姿勢をにじませた印象です。声明文でもインフレ率低下の要因として、構造改革を指摘していますが、構造改革が進展した場合インフレ率低下の可能性がある点を指摘したことなどから、若干、議事要旨のほうが、金融緩和に対し前向きなようにも思われます。

ただ、あくまでインフレ率データ次第ながら、次回3月の金融政策委員会では、ブラジル中銀は基本、政策金利を据え置くと見られます。年金など構造改革が進展するには時間が不十分なこと、開催日が3月20~21日と海外要因として最重要の米連邦公開市場委員会(FOMC)が同日に開催されるからです。

 

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