習近平氏、権力基盤拡大の足音 | ピクテ投信投資顧問株式会社

習近平氏、権力基盤拡大の足音 アジア 中国

2017年10月の中国共産党大会では、2期目の習近平後の中国の姿にあいまいな点がありましたが、今回の憲法改正提案により、「習の次は習」という流れに向かい始めている印象です。

中国共産党、憲法改正を提案:中国国家主席の任期撤廃と新華社が報道

中国国営の新華社通信は、中国共産党が2018年2月25日、国家主席の任期を連続2期までに制限する規定を削除する憲法改正を提案したと報道しました。仮に憲法が改正されれば14年ぶりで、2期目を迎える習近平(シー・ジンピン)国家主席は2期目が終了(任期は22年迄)後の23年以降も国家主席を続投できる可能性が浮上することになります。

どこに注目すべきか:国家主席、憲法改正、全人代、人民元総裁

昨年10月の中国共産党大会(図表1参照)では、2期目の習近平後の中国の姿にあいまいな点がありましたが、今回の憲法改正提案により、「習の次は習」という流れに向かい始めている印象です。

今回の注目ポイントは次の通りです。

まず、習近平氏の基盤がさらに強固になったことです。習近平氏にとって政治的に重要なポストは次の3つです。国家の代表として国家主席、共産党総書記、人民軍を掌握する共産党中央軍事委員会主席(軍事主席)です。中国は共産党の国であること、国を掌握するには人民軍をコントロールする必要があることから、総書記、軍事主席が実質的に重要で、国家主席はやや形式的な面があるとも言われます。先の2ポストは任期の定めが無く、これら2ポストだけで国を主導する可能性もありますが、あいまいさも残ります。中国では憲法上(79条)国家主席と副主席の任期については2期と定められており、長期的に中国を主導するには憲法改正が必要で、今回の提案は長期政権に向けた布石ともいえます。

次に、習近平氏の権力基盤の流れを見ていきます。習近平氏は昨年11月の共産党大会で、総書記に再任しました。次に、3月の全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)で憲法改正案が可決される見込みで、3月の全人代で2期目の国家主席に任命される流れです。形式的な面があるものの、全人代では習近平氏の権力基盤拡大を確認する運びとなることが想定されます。

習近平氏以外にも注目点があります。全人代に提出する人事案について審議する党中央委員会総会では、汚職の摘発で名をあげ、習近平氏の権力手中を支えた王岐山氏(昨年の共産党大会で要職を退いた)の処遇にも注目が高まっています。党中央委員会総会では反腐敗の公的機関として、国家監査委員会が新設される運びで、王岐山氏が要職につくと共に、国家監査委員会に関与する可能性がありそうです。

もうひとつの注目ポストが、中国人民銀行(中央銀行)総裁です。02年に就任した周小川現総裁は3月の全人代で退任するとの見込みが強まっています。後任として、習近平氏の信認が厚いとされる劉鶴氏(現在中央財経指導小組弁公室主任)が人民銀総裁ポストに選出される可能性があるとの観測報道も見られます。劉鶴氏は25人しかいない政治局局員に選出されています。また劉鶴氏は経済・金融を担当する国務院副総理に任命される可能性も報じられており、ひょっとすると兼任という噂も報道されています。劉鶴氏は18年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)には中国を代表して出席するなど、習近平氏とのパイプの太さがうかがえます。なお、国務院副総理と人民銀総裁の兼任についてはクリアできるかもしれません。中国では朱鎔基元首相が、時の権力者故鄧小平(トウショウヘイ)氏の後ろ盾で、国務院副総理と共に93年7月からは人民銀総裁(共に当時)を兼務しているからです。

3月の中国全人代にいたる政治動向に注目しています。

 

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