2月の米雇用統計、適温相場を形成するように見えるが | ピクテ投信投資顧問株式会社

2月の米雇用統計、適温相場を形成するように見えるが 北米 米国

2月の米雇用統計は、雇用者数の伸びは堅調な一方、前月の金利上昇の背景となった賃金の伸びは抑えられ、市場はこの結果に「いいとこどり」の反応を示しましたが、雇用市場の質の点では気になるところもあります。  

2月の米雇用統計:非農業部門雇用者数は市場予想上回るが、賃金は伸び悩み

米労働省が2018年3月9日に発表した2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比31.3万人増と、市場予想(20.5万人増)、前月(23.9万人増)を大幅に上回りました。また前月と昨年12月の増加幅は合計5.4万人上方修正されました。
家計調査に基づく失業率は4.1%で、市場予想(4.0%)を上回り、前月(4.1%)と変わらずとなりました。
注目の平均時給は前年比2.6%上昇と、市場予想(2.8%上昇)、前月(2.8%上昇に下方修正)を下回りました。

どこに注目すべきか: 雇用者数、適温相場、付加価値、平均時給

2月の米雇用統計は、雇用者数の伸びは堅調(=景気回復?)な一方、前月の金利上昇、株価下落の背景となった賃金の伸び(インフレ懸念)は抑えられ、市場はこの結果を「いいとこどり」し、適温相場の再来と見ているようです。確かに非農業部門雇用者数全体の上昇ペースなどは、米景気回復を感じさせますが、質の点では気になるところもあります。

例えば、非農業部門雇用者数を業種別に見ると、建設の底上げは、2月の天候が前月に比べれば安定していたことが背景と見られます。そのため建設活動や建設資材小売業が回復したと思われます(図表1参照)。小売は季節的な人員配置による変動と見られ、一時的回復の可能性もあります。 さらに、専門ビジネスなど付加価値の高い業種に伸び悩みが見られるのが気になるところです。他の業種でも、情報は前月比マイナスが続いています。

次に、先月はインフレ率と金利上昇懸念の背景となった平均時給は先月分は前年同月比2.8%に下方修正され、2月は2.6% となり、その点で懸念は後退しました(図表2参照)。背景は、今日のヘッドライン2018年2月5日号で指摘したように、1月は寒波の影響で分母の労働時間が低下する一方で、分子の固定給が安定していたことや、年初の賃金改定による平均時給の上振れと見られるからです。2月のデータでは労働時間が増える一方、平均時給が低下したこととも整合的と見られます。ただ、このような、季節要因等による上げ下げは短期的な話です。

むしろ気がかりなのは、時給の伸びは(移動平均で見ると)鈍く、横ばいです。背景として生産性の鈍化があるかもしれません。先の、雇用者の変動で見たように、仮に今後も付加価値の低い業種の伸びが続くなら、米国の生産性回復に遅れが懸念され、この点こそ問題と見られます。

 

 

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