米通商政策、深刻な状況に一歩近づく | ピクテ投信投資顧問株式会社

米通商政策、深刻な状況に一歩近づく 北米 米国

トランプ米大統領は2018年3月22日、中国による知的財産権侵害への制裁措置として、中国製品に対し少なくとも500億ドル相当の関税賦課を命じる大統領令に署名しました。中国からの報復で、経済への悪影響が懸念されます。  

米トランプ大統領:中国の知的財産権侵害に対する制裁関税を命じる大統領令に署名

トランプ米大統領は2018年3月22日、中国による知的財産権侵害(通商法301条に基づく:図表1参照)への制裁措置として、中国製品に対し少なくとも500億ドル(約5兆2800億円)相当の関税賦課を命じる大統領令に署名しました。

米通商代表部(USTR)のファクトシートによると、航空宇宙や情報・通信技術、機械などを含むと見られる(一部の)中国製品に25%の関税が課される可能性があります。

どこに注目すべきか: 知的財産権侵害、貿易赤字、通商法301条

大統領令への署名に伴い公表されたトランプ大統領の声明を見ると、大統領令の目的は米国製造業の雇用回復と貿易赤字縮小と見られます。通商法301条は機械や電気製品など中国製品を課税対象に含められるだけに、適用内容と中国側からの報復によっては多大な影響も懸念されます。

中国が米国に輸出する製品を分類すると、機械や電気製品が半分近くであり、通商拡大法232条で対象とした鉄鋼やアルミのシェアは小規模です。今回、中国の知的財産権の侵害を理由に切り込む分野は、中国製品の主要部分であり、経済的な悪影響が懸念されます。そのため、発表を受け、日本、中国の株式市場が急落しました。

ただ、先のUSTRのファクトシートによると、課税対象の中国製品のリストを15日以内に作成(その後、30日間パブリックコメント募集)してから関税を課す段取りです。課税対象などを今後確認することも必要です。

中国の知的財産権の侵害とは、例えば米国の高い技術力を取得するため、中国が共同出資を強要したり、免許などで不当に扱い、圧力をかけてきたと述べています。これらの解決に向けては世界貿易機関(WTO)の紛争解決システムを活用する意向であるとも述べています。米国内法による一方的な関税措置という、WTOルール抵触とも受け取れる強硬手段をとりつつ、米国はWTOを利用するという戦略と見られます。

ただ、米国にとっても中国は大切な貿易相手であり、本気で貿易戦争を仕掛ける気なのか?まずは、先の関税対象リストが判断の目安となりそうです。

それでも気になるのはトランプ政権の人事です。保護主義(やロシア疑惑からトランプ大統領を守る人事を含)で周囲を固める傾向が強まっています。今後通商政策を進める上で、交渉相手に本気と思わせる戦術なのかもしれませんが、偏った人員構成による意思決定はリスクが高いと思われます。

 

 

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