中国の大豆輸入事情 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国の大豆輸入事情 アジア 中国

米国通商法301条に基づく追加関税リスト公表に対し、中国は500億ドルと同額規模の関税計画リストを発表しました。中国の関税リストに(米国からの)大豆輸入が含まれていたことで、中国の対応が本気との見方もあります。  

貿易戦争懸念 :中国は500億ドル相当の米製品に相互関税計画を公表

中国財政省は2018年4月4日、大豆、自動車、化学製品、一部航空機、トウモロコシ製品など農産物を含む米製品106品目に対し25%の追加関税を課すと発表しました。先に米国が通商法301条に基づき中国へ追加関税を課すと公表したことへの対抗措置と見られます。

市場では中国が公表した対象項目リストに主要な貿易商品である大豆が含まれていたことは予想外で、市場の下落要因となりました。

どこに注目すべきか: 通商法301条、大豆、スイング州、大豆ミール

米国通商法301条に基づく追加関税リスト公表に対し、中国は500億ドルと同額規模の関税計画リストを発表しました。中国の関税リストに(米国からの)大豆輸入が含まれていたことで、中国の対応が本気との見方もあります。何故か?

まず、米国の農産物の中で大豆は穀物と並んで主要な輸出商品です。そのうえ、大豆を輸入している国(輸出先)を見ると6割程度が中国となっています(図表1参照)。

その上、米国の大豆の主な生産地はアイオワ州、オハイオ州、ミシガン州などスイング州(民主と共和党が拮抗、大統領選挙などの展開に影響を与える可能性がある)です。すでに米国の大豆農家などから懸念の声も聞かれます。米国の弱点(?)をついてきたところに、本気度は感じられます。

ところで、中国は大豆を、大豆油として食用に、抽出後は大豆ミールとして豚等の家畜飼料の原料としています。飼料としてとうもろこしも使いますが、こちらはほぼ自給できています。反対に生育が早いがコストに難のある大豆(ミール)は海外からの輸入に頼っています(図表2参照)。

ただ、中国が大豆を輸入しているのは主に米国、ブラジルなどに限られます。大豆への関税となると、他に輸入先が見当たらず、中国にとっても諸刃の剣という見方もあります。

ここまで、大豆を中心に取り上げてきましたが、それ以外も含め米中が貿易戦争へと向かう可能性はあるのでしょうか?
可能性は高くないと思われます。

交渉の流れを見ても、即座に関税を課すといった強硬策でなく、公聴会(5月15日、その後22日まで反論コメント募集)の後、最終決定と、当初関税案を柔軟化するのに時間を稼いだスケジュールとも見られます。
また、同時進行している北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉もトーンが軟化していること、
さらに、減税の時と違い、株式市場が貿易戦争を支持しない反応だからです。

 

 

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