米雇用統計とパウエル議長の講演 | ピクテ投信投資顧問株式会社

米雇用統計とパウエル議長の講演 北米 米国

非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回り、3月雇用統計公表直後は米国債利回りは低下、同日は前日比0.06%利回りが低下しました。ただ、利回り低下の原因は米中貿易戦争懸念が大半で、雇用統計には底堅さが見られました。  

3月米雇用統計 :非農業部門雇用者数は大幅に市場予想下回るも、賃金は伸び確保

米労働省が2018年4月6日発表した3月の非農業部門雇用者数は前月比10.3万人増と、市場予想(18.5万人増)、前月(32.6万人増と速報値31.3万人増から上方修正)を下回りました。
家計調査に基づく失業率は4.1%で、市場予想(4.0%)を上回りました。前月は4.1%でした。
平均時給は前年同月比2.7%増で、市場予想(2.7%増)と一致し、前月(2.6%増)を上回りました。

どこに注目すべきか: 非農業部門雇用者、平均賃金、失業率下3桁

非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回ったことで、3月雇用統計の公表直後は米国国債利回りが低下(価格は上昇)、結局同日は前日比0.06%利回りが低下しました。ただ、利回り低下の背景は米中貿易戦争懸念が原因の大半と見られ、雇用統計については次の点で、底堅さも見られました。

1点目は非農業部門雇用者数は単月では(恐らく季節要因で)大幅に市場予想を下回りましたが、移動平均で見ると、安定的な水準での推移と見られることです(図表1参照)。
例えば、3月は悪天候の影響を受けやすい建設業の雇用が減少しました。寒波の影響が後退した2月は大幅増(前月比6.5万人増)となった反動で、3月は前月比1.5万人減少しました。同様に天候に左右されやすい娯楽、飲食などの業種も雇用者数の伸びは軟調となっています。

2点目は、非農業部門雇用者数以外の項目は緩やかな雇用市場の回復と整合的なことです。例えば、雇用統計でインフレ率との関係から最も注目を集めている平均賃金は前年同月比で2.7%と市場予想に一致しています。2008年の金融危機前の水準(同3~4%)には及ばないものの、概ね回復傾向と見られます。

低下が予想されていた失業率は4.1%で前月と変わりませんが、小数点以下3桁を見ると3月(4.071%)は2月(4.142%)から低下(改善)とも見られます。さらに、経済的理由のパートなども失業率に含めた広義の失業率(U6)は8.0%に改善しています。また雇用環境が改善すると上昇する傾向がある自発的失業者の割合も13.1%と大幅に上昇しています。労働市場の質の点で回復が見られます。

最後に、雇用統計公表の後に行われた講演で米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が労働市場について述べた点を振り返ります。パウエル議長は平均賃金の増加ペースが急激に加速していない状況は、労働市場が過度にはタイト化していないと評価していることを示唆しています。一方で、今後について、労働市場が一段と力強さを増し、賃金の伸びが一層上向く展開を想定しているとも述べています。

広義の失業率(U6)が3月改善したように、米雇用市場には一部改善の余地が残されているようです。それでも、今後米雇用市場は改善継続が期待されるというパウエル議長の見方は、3月の米雇用統計の評価にそのまま適用できそうです。

 

 

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