トルコ、過去に大幅利上げを伴ったこともある緊急会合だが | ピクテ投信投資顧問株式会社

トルコ、過去に大幅利上げを伴ったこともある緊急会合だが 欧州/ユーロ圏

トルコ政策当局がリラ安対策を本格化させる兆しを見せました。これまで、トルコリラが過去最安値を更新する流れが続くも、当局の対応は後手に回っていた印象です。緊急会合の開催を受け政策変更実施の可能性はありますが、公表された声明は具体策に乏しく、今後の展開を見守る必要がありそうです。

トルコ大統領、経済当局者らと通貨を協議:リラの防衛で緊急会合

 トルコのエルドアン大統領は2018年5月9日、チェティンカヤ中銀総裁や資本市場の監督当局者らが出席する緊急会合を開催し、通貨リラについて協議しました。

 トルコ政府が通貨防衛措置を打ち出すとの期待が高まり、過去最安値を更新し続けていたリラは一時的に反発を見せました。

どこに注目すべきか:リラ最安値、双子の赤字、インフレ、緊急会合

 トルコ政策当局がリラ安対策を本格化させる兆しを見せました。これまで、トルコリラが過去最安値を更新する流れが続くも、当局の対応は後手に回っていた印象です。緊急会合の開催を受け政策変更実施の可能性はありますが、公表された声明は具体策に乏しく、今後の展開を見守る必要がありそうです。

 今回のトルコ当局の対応を占う前に、リラ安の背景を簡単に振り返ります。主な要因を見ただけでも、リラが最安値を更新する流れ(図表1参照)であったのがうなずけます。

 まず財政赤字と経常赤字、いわゆる双子の赤字です。トルコは財政政策で景気をてこ入れ、GDP(国内総生産)成長率は7%台と(図表2参照)高いように見えますが財政悪化を伴う質の悪い成長と見られます。また経常赤字対GDP比率も足元5%を超え、新興国の中でも悪い数字となっています。

 外貨準備高も減少傾向で、資金調達を海外に依存するトルコの返済能力に疑問があります。

 インフレ率は2ケタ台での推移となっています。リラ安による輸入物価上昇がインフレ率を引き上げ、それが通貨安を導くという、悪循環も懸念されます。

 さらに、トルコ特有の問題として中央銀行の独立性の問題が見られます。通常であれば高インフレに対し、利上げで対応するところですが、主要政策金利は据え置かれています(図表1参照)。実質的な政策金利である後期流動性貸出金利を引き上げてはいますが、同金利は流動性対応が本来の役割であり、政策金利での利上げが求められます。ただ、「金利が高いからインフレ率が高い」など、独特な考えのエルドアン大統領への配慮があるのではと、市場はトルコ中銀の独立性を懸念しています。6月24日に下院と大統領選挙を前倒ししたエルドアン大統領、通貨安の放置は選挙に不利と見たのか緊急会合を開催しています。

 トルコは最近では16年、そして14年に緊急会合が開催され、政策金利も引き上げられています。特に14年は政策金利を一気に5.5%引き上げ、少なくともその後の半年程度(短い期間ですが)リラの動向に落ち着きも見られました。

 ただし、今回の緊急会合で公表された声明は「金融政策はあらゆる手段を用いる」や、「財政規律は重要な政策のひとつである」など、現段階では具体策に程遠い内容です。

 リラは、これまで見てきた国内要因だけでも難問山積みです。その上、米国金利の上昇や中東情勢の悪化など外部要因も重荷となりそうです。リラは割安という理由で短期的に買われることはあっても、本格的な回復には本格的な対応が必要なだけに、実効性のある具体策が求められます。

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