ECB金融政策の道筋 | ピクテ投信投資顧問株式会社

ECB金融政策の道筋 欧州/ユーロ圏

ビルロワドガロー仏中銀総裁の発言と、ユーロ圏国債市場で利回りが上昇(価格は下落)したタイミングが重なりました。その意味では、何らかの影響があった発言ですが、内容を見ると新鮮味は無い様にも思われます。

仏中銀総裁:利上げ開始はQE終了から数年後でなく数四半期後を想定

 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス(仏)中銀総裁は2018年5月14日、パリで最初の利上げに関して、資産購入が終了してから利上げ開始までの『相当期間』とは少なくとも数四半期を意味し、数年ではないと述べました。

 また、現在月額300億ユーロの購入ペースとなっている資産購入プログラム(APP)の終了については、18年9月か12月になるだろうが、そこに深く存在する問題はないとの認識を示しました。

どこに注目すべきか:APP、相当期間、ハト派、ペースダウン、CPI

 ビルロワドガロー仏中銀総裁の発言と、ユーロ圏国債市場で利回りが上昇(価格は下落)したタイミングが重なりました(図表1参照)。その意味で、内容としては新鮮味に乏しいのですが、何らかの注目点はあったようです。

新鮮味に乏しくも、それなりの影響

 ビルロワドガロー仏中銀総裁の発言の中でもっともだなと思ったのは、APP終了時期が9月か12月に大きな違いは無いとの認識です。仮に12月まで、現在の購入額の半分を購入したと想定しても、現在約4.5兆ユーロを上回るECBのバランスシートの規模に多大な影響はないと思われます。

 次に、利上げの時期に言及した点です。資産購入が終了してから利上げ開始までの「相当期間」を数年と想定していた市場関係者は恐らく少数で、多くは数四半期内での実施を想定していたと見られます。それでも市場が反応したのは、ビルロワドガロー仏中銀総裁をはじめ南欧系(仏、イタリア、スペインなど)のECBメンバーは、イタリア出身のドラギ総裁なども含めハト派(金融緩和を選好する傾向)が多く見られます。そのハト派から利上げの声が上がったことに反応したのかもしれません。

 そもそも、ECBの中で金融政策に迷いが生じたのは足元のユーロ圏の経済指標にペースダウンが見られたからです。ビルロワドガロー仏中銀総裁は現在のペースダウンは一時的だと述べています。ただ、ペースダウンについてはハト派で知られ、ECBの経済見通しに影響力のあるプラートECB専務理事も最近のスピーチで寒波やストライキが原因と明確に述べており、新鮮味にはかけます。それでも、ハト派が一様にペースダウンを問題視しないということであれば、年内債券購入停止、その後数四半期で利上げという展開がメインシナリオとなる可能性が高まったと見られます。

 このような環境下、ユーロ圏の利上げの時期に影響を与える要因としては、堅調な雇用市場にもかかわらず、回復が鈍いインフレ率と見ています(図表2参照)。当面は軟調な推移も想定されます。しかし、一部の雇用コストには上昇も見られるなど、時間の経過と共にインフレ率上昇の可能性が高まると見ており、シナリオどおりであればECBは来年前半にはマイナス金利を緩やかに引き上げる可能性もあると見ています。

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