ブラジル中銀、市場予想に反し政策金利を据え置き | ピクテ投信投資顧問株式会社

ブラジル中銀、市場予想に反し政策金利を据え置き 中南米

ブラジル中銀はフォワード・ガイダンス(金融政策の先行きの指針)で示唆していた利下げを見送りました。背景は声明でも指摘するようにレアル安進行への懸念です。米国の金利上昇が続く中、大統領選挙を前に構造改革も停滞していることから、レアルの動向に配慮を迫られました。

ブラジル中銀:市場予想に反し、政策金利を年6.50%で据え置き

 ブラジル中央銀行は2018年5月15~16日に開催した通貨政策委員会(Copom)の結果を公表し、政策金利を6.50%に据え置きました。前回(18年3月)のCopomでは追加緩和を示唆していたため、市場では大半が0.25%の利下げを予想していました。

 ブラジル中銀は2016年10月から12会合連続で、合計7.75%政策金利を引き下げてきました(図表1参照)。今回の声明で、次回Copom(18年6月19日~20日)でも政策金利の据え置きが示唆されており、利下げ局面からの転換が想定される内容となっています。

どこに注目すべきか:フォワードガイダンス、レアル安、インフレ率

 ブラジル中銀はフォワード・ガイダンス(金融政策の先行きの指針)で示唆していた利下げを見送りました。背景は声明でも指摘するようにレアル安進行への懸念です。米国の金利上昇が続く中、大統領選挙を前に構造改革も停滞していることから、レアルの動向に配慮を迫られました。

 ブラジルのインフレ率に足元、上昇の兆しは見られません(図表2参照)。ブラジル中銀も声明で、18年のインフレ率予想を3.8%(3月予想)から3.6%(今回)に、19年も4.1%から3.9%に各々引き下げています(前提とする為替レートは3.4レアル(対ドル))。では、何が背景なのか?

 まず、レアル安懸念です。声明でブラジル中銀は上で示したインフレ率予想以外に別のシナリオを提示しています。この2番目のシナリオでは為替レートの前提を(平均して)3.6レアルとするならば、インフレ率は18年、19年とも約4%に上昇すると想定しています。レアルは足元1ドル=3.67台での取引(日本時間5月17日正午)となっています。なお、インフレ率予想の2つのシナリオにおいて、政策金利は18年が現状と同じ6.5%、19年は8.0%を前提としています。

 次に、声明で外部環境の変化も据え置きの理由としています。先進国の金融正常化(利上げ等)で、新興国からの資金逃避懸念が高まったと指摘しています。

 何とか持続している景気回復も、据え置きの理由としています。ブラジルの最近の経済指標は市場予想を下回るケースもありますが、それでも緩やかながら景気回復は持続しており、利下げの必要性が後退したと見られます。

 なお、声明にはありませんが、近隣のアルゼンチンがペソ安に苦慮していることなど、最近の新興国の状況も、据え置きの意思決定に影響を及ぼしたかもしれません。ブラジルは大統領選挙の動向が依然不透明です。新興国市場では政局動向が不安定な国の通貨の売り圧力が高まる傾向が見られることも、据え置きを選択させた一因かもしれません。

 ブラジル中銀のインフレ率シナリオをもう一度振り返ると、前提とする政策金利は8.0%であることから、今後の方向は利上げであることがうかがえます。一方、10月の大統領選挙の動向が不透明な中、金融政策も様子見を選択する可能性が高いと見られることから、ブラジル中銀は当面据え置き、その後利上げを模索する展開が想定されます。

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