イタリア、近づく合意、高まる不安 | ピクテ投信投資顧問株式会社

イタリア、近づく合意、高まる不安 欧州/ユーロ圏

イタリアに対する懸念の目安となるドイツ国債の利回りとの格差(スプレッド)は足元拡大(不安の高まり)しています。五つ星運動がユーロ離脱を問う国民投票を訴えていた昨年9月以前に比べれば低い水準ですが、懸念の中心は財政拡大にシフトした印象です。

イタリアのポピュリスト2政党:首相人選で合意連立政権樹立準備整い大統領に組閣提案へ

 イタリアで、連立政権樹立に向けた取り組み(交渉)に進展がみられたと報道されています。イタリアのポピュリスト2政党、反移民政党「同盟」と反エスタブリッシュメント(既存勢力)政党「五つ星運動」は、懸案であった首相の人選で合意した模様です。同盟と五つ星運動は2018年5月21日にもマッタレッラ大統領に組閣人事を提案すると共に、首相候補の公表を行う運びです。

 なお、連立協定には市場が懸念するユーロ圏離脱手続きや欧州連合(EU)の財政規律緩和要求に関する言及が盛り込まれなかったものの、未払い金解消のためイタリア政府が短期債を発行する計画は維持されたと伝えられています。五つ星運動のディマイオ党首が2政党連立協定の合意を発表した後、イタリア国債利回りは上昇(価格は下落)に転じました(図表1参照)。

どこに注目すべきか:連立政権、連立合意案、財政規律、国民投票

 イタリアに対する懸念の目安となるドイツ国債の利回りとの格差(スプレッド)は足元拡大(不安の高まり)しています。五つ星運動がユーロ離脱を問う国民投票を訴えていた昨年9月以前に比べれば低い水準ですが、懸念の中心は財政拡大にシフトした印象です。

 イタリアの連立交渉が合意に近づいています。連立合意案を元に、両党とも連立協定を党員投票にかける形が整ったからです。連立が成立するか、依然流動的な要素もありますが、市場では連立政権の不成立、その結果として再選挙というリスクを高くは見ていないようです。一方で、連立の合意内容は大衆迎合(ポピュリスト)的で財政拡大への懸念が高まっています(図表2参照)。

 EUはユーロ加盟国に厳しい財政規律を求めており、財政赤字対GDP(国内総生産)比率を3%以下に収めることなどを求めています。そのためイタリアは財政出動の余地は限られています。合意案では成長目的の債務は財政規律の基準から除くなど、財政拡大が模索されています。

 この他にも、以前厳格化された年金支給開始年齢や早期退職の条件緩和なども合意案に盛り込まれた模様です

 なお、これまでの合意草案に含まれ、市場が驚いた欧州中央銀行(ECB)に対する2500億ユーロの債務免除要請は、今回の合意案では削除されました。

 また昨年方針を撤回したEUやユーロからの離脱を問う国民投票は、明記されず、ユーロ離脱懸念は後退したようにも見られます。ただ、合意案には未払い金解消に新短期債の発行が残されました。五つ星運動等がユーロ離脱を声高に主張していた頃、ユーロに並行する新通貨の発行案(結果として財政拡大)が検討されました。ひょっとして、新たな債券がその布石となる可能性があるのか、気になる提案です。

 連立成立の可能性が高まる中、市場の関心は合意内容へとシフトしています。財政拡大はEUとの衝突も懸念されるだけに、今後のイタリアの動向には、仮に連立が成立したとしても注視が必要と思われます。

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