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スペインにも不穏な動きだが 欧州/ユーロ圏

イタリアの政情不安に続き、スペインのラホイ首相に対する不信任決議案成立の可能性が高まり、不安は高まっています。仮にラホイ政権退陣となれば、次期政権は社会労働党(サンチェス党首)政権が誕生する可能性もあります。

スペインのラホイ首相不信任決議案:少数政党が支持表明、可決の公算、首相退陣へ

 スペインでは2018年6月1日にラホイ首相の不信任決議案採決が予定されています。報道によると、少数政党のバスク国民党(PNV)が不信任への支持を表明したことから、不信任案可決とラホイ政権の退陣がほぼ確実となったと伝えられています。

 スペイン下院は定数350議席で過半数は176議席です(図表1参照)。ラホイ首相の不信任決議に対し、野党の社会労働党、ポデモスに加え、少数政党のバスク国民党(PNV)、バスクの小規模政党、カナリア諸島の政党のほか、カタルーニャの独立を支持する2政党が不信任案を支持する意向を示し、180議席程度を確保したと報道されています。

どこに注目すべきか:不信任決議案、バスク国民党、反EU政党

 イタリアの政情不安に続き、スペインのラホイ首相に対する不信任決議案成立の可能性が高まり、不安は高まっています。仮にラホイ政権退陣となれば、次期政権は社会労働党(サンチェス党首)政権が誕生する可能性もあります。

 簡単に不信任の背景を振り返ると、ラホイ首相が党首である国民党(中道右派)の幹部らが汚職事件に関わったとして、スペイン裁判所が国民党の元会計責任者らに有罪判決を先月下しました。これを受け、最大野党の社会労働党(中道左派)がラホイ氏に対する不信任案を提出しました。不信任案に対し、複数の少数政党が同調したことで、不信任の可決が確実視されています。

 イタリアに続く政局の流動化ということで、スペインの政治動向に不透明感が高まった点に注意は必要です。しかし、バスク国民党が不信任案支持を表明した後も、スペイン国債の利回りは落ち着いており、イタリア国債利回りとは大きな違いが見られます(なお、そのイタリアも結局内閣成立、再選挙実施は遠のくという運びとなりそうで、今後の動向が注目されます)。主な理由は次の通りです。

 まず、16年6月の総選挙で誕生したラホイ政権はシウダダノスなどの閣外協力による少数与党として政権運営してきており、当初から短期政権で終わるとの見方は根強いものがあり、サプライズは小さかったと思われます。

 次に、イタリアとのもっとも大きな違いは、スペインには反欧州連合(EU)を支持する政党はポデモスぐらいで、スペインに反EU政権が成立する見込みは低いと考えられます。不信任決議案が可決したとして、国民党が党首を代えて引き継ぐのか、または最大野党の社会労働党に政権交代するとしても、イタリアのような状況は見込みにくいと思われます。

 最後に、いずれの新政権が誕生するにしても、再び少数与党となる公算が高いと思われます。秋には予算案の提出もあります。そのため早期選挙の実施も想定されています。たとえそこで再び少数政権となったとしても、不信任決議を受け誕生するであろう暫定的政権よりは本格的な政権運営が期待されます。

 ただ、なんと言ってもスペインの不信任決議案はイタリアの政局不安と同じような時期に起きており、タイミングは最悪です。市場でマイナス思考が広がりやすい環境である点などには注意しながら、今後の動向を慎重に見守る必要があると見ています。

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