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アルゼンチン、対応は悪くないが 中南米

新興国の通貨に変動が見られ、特に、トルコやアルゼンチンの通貨は大幅に下落しています。トルコは政策金利引き上げや、IMF支援に消極的な一方、アルゼンチンは通貨下落に対して正統派の対応を行っていますが、市場の反応は手厳しいものとなっています。

アルゼンチン中銀:ペソ急落を受け、緊急利上げ、政策金利は60%

 アルゼンチン中央銀行は2018年8月30日、通貨ペソ安を受け(図表1参照)、政策金利である7日物レポ金利を従来の45%から15%引き上げ60%へ引き上げると共に、少なくとも12月までこの水準に据え置くと発表しました。

 アルゼンチンのマクリ大統領は29日、金融市場の混乱に「あらゆる手段をとる」と強調し、国際通貨基金(IMF)へ追加支援申請を発表しましたが、ペソ売りに対する抑制効果は見られませんでした。なお、マクリ政権は18年6月のIMFとの、緊急時に融資を受けられる「スタンドバイ融資枠」に合意、500億ドル(約5兆5千億円)の融資枠を設定しました。そのうち150億ドル分の融資は受けています。今回、マクリ大統領は残りの350億ドル分の未利用分について早期の融資を求めました。

どこに注目すべきか:アルゼンチン中銀、対外債務、IMF支援

 新興国の通貨に変動が見られ、特に、トルコやアルゼンチンの通貨は大幅に下落しています。トルコは政策金利引き上げや、IMF支援に消極的な一方、アルゼンチンは通貨下落に対して正統派の対応を行っていますが、市場の反応は手厳しいものとなっています。

 まず、新興国通貨の中でも売り(通貨下落)の対象となりやすい国の条件として、経常赤字の規模、対外債務に対する外貨準備高の比率などが注目されています。例えば、経常赤字対GDP(国内総生産)比率は18年1-3月期で、トルコが6.3%、アルゼンチンが5.2%と高水準で、対外ポジションが弱い国となっています。また、通貨安に伴い、両国とも対外債務は増加しており、対外債務に対する外貨準備高の比率は両国とも、主な新興国の中で最低水準です。

 ただ、利上げやIMF支援に消極的なトルコに比べ、アルゼンチンの対応は積極的です。例えば、政策金利60%というのは相当思い切った政策と思われます。

 確かに、過去インフレ率が上昇すると消費マインドが低下する傾向は見られます(図表2参照、インフレ率は逆メモリに注意)。ペソ安により今後インフレ率の上昇が懸念されるとしても、アルゼンチンの対応は積極的のように見られます。

 では、何故今のところ効果が低いのか?

 まず、対応が金融政策に偏りすぎている印象を与えていることです。利上げは必要な対応ですが、先の対外債務の指標でも見たように、財政も含めた対応が必要です。

 次に、現地の報道などを見ると、コミュニケーションにも不満があるようです。IMF支援は要資金調達に対する不安を打ち消す材料となる可能性がありますが、市場へのアピールが弱い印象です。例えば、IMFと先に合意した融資の説明会で、アルゼンチン政府は19年の要資金調達額を80億ドルと述べていますが、市場の推定値は200億ドル程度と開きが見られました。市場のセンチメントが悪化している現在のような局面では、市場との認識の差を埋める対応がいっそう必要なように思われます。

 もっとも、ペソ安効果(?)でアルゼンチンの経常赤字は今後改善が期待されるなどプラス面も見られます。厳しい状況が想定されるも、政策対応の持続性に注目しています。

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