南アフリカ、2009年以来の景気後退 | ピクテ投信投資顧問株式会社

南アフリカ、2009年以来の景気後退 アフリカ

新興国通貨全般に下落圧力が高まる中、南アの景気後退入りを示すGDP(国内総生産)の公表は市場環境から見てタイミングも悪く、GDPの発表を受けランドが下落したのは自然な動きと思われます。また南アには、格下げなど他のリスク要因も懸念されます。ただ、マイナス成長の背景は天候不順による農業の不振も影響しています。

南アフリカ4-6月期GDP:市場予想を下回るマイナス成長、2009年以来のリセッション入り

 南アフリカ政府統計局は2018年9月4日に18年4-6月期のGDP(国内総生産)を公表、前期比年率マイナス0.7%と、市場予想(+0.6%)を下回りました。1-3月期が同マイナス2.6%だったことから、景気後退を意味する2四半期連続のマイナス成長となりました(図表1参照)。

 南アが景気後退に陥ったのは2009年以来となります。予想外の景気低迷を受け、通貨ランドは下落しました。

どこに注目すべきか:景気後退、農業、投資適格、土地収用

 新興国通貨全般に下落圧力が高まる中、南アのGDP公表はタイミングも悪く、GDP発表を受けランドが下落したのは自然な動きと思われます。また南アには、格下げなど他のリスク要因も懸念されます。ただ、マイナス成長の背景は天候不順による農業の不振も影響しています(図表2参照)。

 南アに関しては次のような問題に注目しています。

 まず、南アの低成長傾向です。南アの成長率を振り返ると、08年の金融危機(リーマンショック)後には、3四半期連続のマイナス成長となっています。今回はその時以来の景気後退(2四半期連続のマイナス成長)です。ただ、資源価格の変動、高インフレ率、高失業率、経常赤字拡大、財政不安などが南アの景気回復を幾度となく抑えており、1四半期だけのマイナス成長ならば珍しくないという低空飛行の流れの中で、景気後退に陥ったと見られます。なお、インフレ率が18年年初まで低下したため、南ア中銀が18年3月に利下げを行ったプラス面もありますが、その後のランド安によるインフレ率上昇懸念から、利下げ期待は後退しています。

 なお、今回の南アのマイナス成長の主な原因はウェイトで3%程度の農業セクターで、寄与度はマイナス1%程度です。悪天候による農業生産の低迷が、新興国通貨混乱という悪いタイミングに起きた面も冷静に判断する必要はあります。

 次に、南アの景気回復の鈍さは、格下げに波及することも懸念されます。南アを投資適格(BBB-以上)としているのは、主な格付け会社ではムーディーズ・インベスターズ・サービスのみです。ムーディーズは南ア財政の懸念として、経済の低成長による税収の減少をあげています。

 構造問題への取り組みにも苦慮しています。南アには過 去の人種差別政策(アパルトヘイト)による固有の構造問題が横たわり、経済の効率性を引き下げていると見られます。中でも土地問題が象徴的です。南アの人口の約8割が黒人で、白人は1割以下である一方、南ア土地開発・改革省によると、7割以上の土地を白人が所有している状況です。これを改善するために、南アの与党・アフリカ民族会議(ANC)は、批判の強い無補償の土地収用(白人から黒人に土地を渡す)を提案しましたが、国際通貨基金(IMF)などから慎重さを求められるなど迷走気味です。南アでは来年総選挙が予定されているだけに、新たな政治問題となることも懸念されます。

 南アの低い経済成長の背後にはこれら複数の要因が絡むだけに、ランドなどのセンチメント改善にはひとつひとつの要因を解消する忍耐強さが求められそうです。

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