オーストラリア(豪)中銀の声明が正しいとするなら | ピクテ投信投資顧問株式会社

オーストラリア(豪)中銀の声明が正しいとするなら オセアニア

最近公表された豪経済統計を振り返ると、豪中銀のロウ総裁が述べた内容と整合的です。4-6月期GDPは前年同期比3.4%と堅調な数字となっています。反対に懸念要因としてあげた緩やかな賃金の伸びに、明確な回復は見られない状況です。豪中銀の分析が正しいとするならば、政策金利の変更は、早くて19年前半と、据え置きが長期化する可能性も考えられます。

豪中銀政策理事会:市場予想通り、23会合連続となる政策金利の据え置き

 オーストラリア準備銀行(豪中銀、中央銀行)は2018年9月4日、市場予想通り政策金利を過去最低水準の1.50%に据え置くと発表しました。豪中銀は政策金利を16年8月に現在の1.50%に引き下げてから、23会合連続で据え置いています。

 ロウ総裁は声明で、豪GDP(国内総生産)成長率は18年、19年共に3%を小幅上回ると見込んでいると、声明で述べています(図表1参照)。

どこに注目すべきか:豪中銀、失業率、資源輸出、賃金、家計負債

 最近公表された豪経済統計を振り返ると、豪中銀のロウ総裁が述べた内容と整合的です。例えば、4-6月期GDPは前年同期比3.4%と堅調な数字となっています(図表1参照)。反対に懸念要因としてあげた緩やかな賃金の伸びに、明確な回復は見られない状況です(図表2参照)。豪中銀の分析が正しいとするならば、政策金利の変更は、早くて19年前半と、据え置きが長期化する可能性も考えられます。

 まず、豪経済指標のプラス要因を振り返ります。

 回復傾向の豪GDP成長率を今後も下支えする要因として、設備投資、鉱山以外の投資、資源輸出が指摘されています。米中貿易摩擦懸念はありますが、資源輸出には悪影響はほぼ見られない状況です。

 雇用市場は、失業率の点では改善傾向が長期にわたり続いています。声明では、技術者を中心に人手不足感が根強く残ると指摘しています。少なくとも失業率など、雇用については、さらなる改善の継続が見込まれています。

 インフレ率については2%程度での推移が続くと豪中銀は見込んでいます。豪中銀のインフレ目標は2~3%であることから、短期的には物価対策に追われる可能性は低いように思われます。ただ、19年と20年のインフレ率について、豪中銀は現状水準(18年4-6月期で2.1%)を上回る推移となることを見込んでいます。

 次に、豪経済の不透明要因として今後の家計消費の動向を取り上げています。

 その1つ目の背景は賃金の伸びが緩やかなことです(図表2参照)。豪賃金指数の動向には、底打ちは見られるも、明確な回復には至っておらず、家計の収入が伸び悩んでいることがうかがえます。

 2つ目の背景は信用残高(クレジットカード、自動車ローンから住宅ローンまで含む)と家計収入の比率を見ると右肩上がりとなっています(図表2参照)。豪中銀のトーンに過度な懸念は見られませんが、次の一手と見られる政策金利の引き上げを、いまひとつ慎重にさせる要因と思われます。

 豪経済は全般には回復傾向にあるものの、約6割を占める家計に対し、豪中銀が潜在的な懸念を示していることや、年内のインフレ率上昇の懸念が低いことから、利上げ時期は早くても来年前半が見込まれます。

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