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ブラジル中銀はややタカ派に 中南米

新興国のトルコやロシアが通貨安を背景に利上げを迫られたのに比べ、ブラジル中銀は政策金利を据え置きました。通貨安に伴うインフレ率上昇への懸念と、景気回復の鈍さをバランスさせる従来の評価を維持しました。ただ、声明文には、場合によっては、徐々に金融緩和からの脱却を示唆する文章が新たに加えられています。

ブラジル中銀:市場予想通り、政策金利を過去最低に据え置くも、今後の引き締め示唆

 ブラジル中央銀行は2018年9月19日(現地時間)、4会合連続で、政策金利を年6.50%に据え置くと発表しました(図表1参照)。ブラジル中銀は声明で足元のインフレ率は適切な水準として、全会一致で据え置きを決めました。

 前回までのブラジル中銀の声明文は、金融政策の方向性を示唆する表現が弱かったのに比べ、今回の声明では方向性が示されました。刺激策(金融緩和)は、インフレ見通しが金融政策を変更すべき範囲となるか、リスクバランスが悪化した場合は、徐々に解除され始めると説明しています。

どこに注目すべきか:ブラジル中銀、インフレ懸念、大統領選挙

 新興国のトルコやロシアが通貨安を背景に利上げを迫られたのに比べ、ブラジル中銀は政策金利を据え置きました。通貨安に伴うインフレ率上昇への懸念と、景気回復の鈍さをバランスさせる従来の評価を維持しました。ただ、声明文には、場合によっては、徐々に金融緩和からの脱却を示唆する文章が新たに加えられています。

 今回のブラジル中銀の声明などから判断して、次の点がややタカ派(金融引締めを選好)寄りと見ています。

 1点目は、今回の声明に加わった、今後の金融政策の方向性を示唆する文章です。インフレ懸念が高まった場合などに、金融緩和の状態は徐々に解除され始めると述べています。前月までと同様、政策金利の据え置きが適切としつつも、今後想定される変化への対応を前倒しで言及した格好です。為替市場へ配慮したとも見られます。

 2点目は、ブラジル中銀のインフレ率見通しが上方修正されたことです。前回の声明では、ブラジルの足元のインフレ率の上昇は5月頃のトラック運転手のストライキによる一時的現象と説明していました。しかし、物価上昇の背景は、ストライキ要因に加えて、通貨レアル安が波及し始めた可能性もあります(図表2参照)。ブラジル中銀は18年末のインフレ率見通しを前回の4.2%から4.4%に上方修正しています。なお、19年末についても前回の4.1%から4.5%に引き上げています。これら2点から、今回の声明はタカ派の印象です。

 このように振り返ると、ブラジル中銀がタカ派色を強めたのはレアル安の影響が大きいと見られます。レアル安の主な原因は他の新興国同様、主に米国の利上げ懸念です。ただ、ブラジルはトルコやロシア等と違い、米国との政治的対立を要因とする通貨安は見られません。一方、10月のブラジル大統領選挙は最大の不透明要因で、ブラジル中銀も選挙の結果とレアルの動向に注目する必要がありそうです。

 そのブラジル大統領選挙の成り行きは依然不透明です。状況は異なりますが、同じ南米のメキシコでは、7月の大統領選挙前後からあく抜け感などを背景に、ペソ高傾向となりました(図表2参照)。しかし、ブラジル大統領選挙では財政拡大を支持する左派候補が選出されるようだとレアルの下落圧力が高まる可能性もあります。選挙結果がレアルの動向を左右する展開も想定されるだけに注視が必要です。

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