南アランド、おぼろげな下支え | ピクテ投信投資顧問株式会社

南アランド、おぼろげな下支え アフリカ

下落傾向が続いた南アランドですが、小幅ながら反転も見られます。主な要因としては、南ア中銀のタカ派的な声明、構造問題の進展があげられます。南アの問題は根深く、ランドは変動の高い状況を見込みますが、変化の兆しにも目を向ける必要があると見ています。

南ア中央銀行:政策金利は市場予想通り据え置くも、タカ派的トーンで通貨ランドを下支え

 南アフリカ準備銀行(南ア中銀)は2018年9月20日、主要政策金利を市場予想通り6.5%に据え置きました。

 声明によると、金融政策委員会の4人が据え置きに賛成した一方、3人が利上げを主張しました。クガニャゴ中銀総裁は会合後の記者会見で、通貨ランド安や世界的な原油高などを背景にインフレ見通しは悪化したとの認識を示し、一段とタカ派的(金融引締めを選好)な姿勢を示しました。

どこに注目すべきか:金融政策委員会、インフレ予想、鉱業憲章

 下落傾向が続いた南アランドですが、小幅ながら反転も見られます(図表1参照)。主な要因としては、南ア中銀のタカ派的な声明、構造問題の進展があげられます。南アの問題は根深く、ランドは変動の高い状況を見込みますが、変化の兆しにも目を向ける必要があると見ています。

 ランド反転の要因についてポイントを以下に述べます。

 まず、南ア中銀のタカ派的な姿勢です。前回(7月19日)の金融政策委員会では7人全員が据え置きを支持しましたが、今回は3人が0.25%の利上げを支持しました。南ア中銀の姿勢がタカ派にシフトしつつあることを示しています。

 南ア中銀はランド安や原油高を受けインフレ見通しを上方修正しています。例えば、南ア中銀は今回の声明で、19年のインフレ率のピークを前年同月比で5.9%と表明し、前回(7月)の同インフレ率のピークの5.7%から引き上げました。

 南アの経済指標を見ると、GDP(国内総生産)成長率は18年4-6月期が前期比年率マイナス0.7%と回復は鈍く、消費者物価指数も8月は前年比4.9%と、市場予想(5.2%)、前月(5.1%)を下回りました(図表2参照)。ランド安懸念はあるにせよ、今回は政策金利据え置き、との見方が市場でも優勢であっただけに、3人の反対票に南ア中銀のインフレ率抑制に向けた配慮が見られます。

 次に、構造問題の進展もランドを下支えした可能性があります。報道によると、ラマポーザ大統領が改革に意欲を示してきた主要政策のひとつである鉱業憲章の見直しに進展が見られました。鉱業憲章はアパルトヘイト(人種隔離)政策で不利益を受けた黒人の経済力回復を目指した、(鉱業における)規制の集合体というイメージです。例えば、鉱山の黒人の所有割合や炭鉱権の拡大などにより、黒人へ鉱山権益を移行するものです。ただ、炭鉱業界からの反対も根強く、法廷闘争などに発展しています。南アの構造問題は今日のヘッドライン9月5日号で指摘した「土地収用」(白人の土地を黒人に譲渡)でも同様に解決の難しさが見られます。長期的には構造問題の解決は必要ですが、問題は解決の進め方です。土地収用では、当事者の理解不十分なまま無償で土地を譲渡する方向で早急に進めた結果、市場や国際社会から改革の進め方に疑問の声が聞かれました。

 幸い、鉱業憲章で批判の強かった鉱山権の移行による黒人所有の割合は緩和するなど、歩み寄りを模索する方向で政府が改革を進める模様で、市場への配慮が見られます。

 外部要因も含めれば、南アランドを取り巻く環境は厳しく、今後も変動が想定されます。ただ、幅広い視野で市場の推移を見守る姿勢も必要と思われます。

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