米国雇用市場は回復継続と見る | ピクテ投信投資顧問株式会社

米国雇用市場は回復継続と見る 米国

今回の雇用統計に対する米労働省の声明では、ハリケーン「フローレンス」の影響が注記されています。市場予想を下回った非農業部門雇用者数に加え、注目度が高くなっている平均賃金データも悪天候の影響を受けた可能性があり解釈に注意が必要です。一方、金融当局が注目する失業率は歴史的レベルに低下、金融政策正常化の維持が想定されます。

米9月雇用統計:雇用者数と賃金は伸び鈍化 が見られるも、失業率3.7%に低下

米労働省が2018年10月5日に発表した、9月の非農業部門雇用者数は前月比13.4万人増と、市場予想(18.5万人増)、前月(27.0万人増と速報値20.1万人増から上方修正)を下回りました。

失業率は69年12月以来の低水準となる3.7%に低下、市場予想(3.8%)、前月(3.9%)を下回りました(図表1参照)。

平均時給は前年比2.8%増で、市場予想と一致しましたが、前月(2.9%増)を下回りました。

どこに注目すべきか: 悪天候、平均賃金、失業率、正常化プロセス

今回の雇用統計に対する米労働省の声明では、ハリケーン「フローレンス」の影響が注記されています。市場予想を下回った非農業部門雇用者数に加え、注目度が高くなっている平均賃金データも悪天候の影響を受けた可能性があり解釈に注意が必要です。一方、金融当局が注目する失業率は歴史的レベルに低下、金融政策正常化の維持が想定されます。

まず、市場予想を下回った9月の非農業部門雇用者数ですが、前月は27.0万人増と6.9万人分も上方修正されています。このベースで雇用者数変化の過去3ヵ月平均(7~9月)を見ると19.0万人となり、この1年の平均20.1万人を小幅下回るにとどまります。

また、雇用者数の変化を部門別で見ると、悪天候の影響を受けやすい外食や宿泊などを含む娯楽部門や、教育・ヘルスケア部門の雇用者数が低下しており、ハリケーンの影響が想定されます。ただ、小売り部門のように悪天候だけでは説明しにくい部門における雇用者数の低下も見られます(図表2参照)。

次に、平均賃金は、米労働省によると、一部の労働者は(ハリケーンの影響で)就労不能から手取りが減る可能性があり、一般的に賃金の低下要因と説明しています。ただ、悪天候の影響の定量化は困難です。例えば、昨年の8月末から9月に猛威を振るったハリケーン、イルマやハービーの影響では10月の賃金が低下しました。来月のデータと均してみる必要があると見ています。それでも、雇用者数に低下が見られるなど、悪天候の影響が想定される中で、平均賃金が前月並みの水準を維持した点は、今後の賃金の底堅さを示したと見られます。

最後に、印象的だったのは失業率の低下です。8月には低下した就業者数が、前月比で42万人増加(+0.3%)した一方で、失業者は27万人(マイナス4.3%)減少したことが失業率低下の背景です。例えば、就業者は小幅減少したが、失業者も大幅に減少し、結果として失業率が低下するなど、解釈に苦しむケースに比べ、今回は比較的素直に、労働市場の改善が示唆される失業率の低下と思われます。

9月の米雇用統計の結果は、最近の米連邦準備制度理事会(FRB)の労働市場の見方とも整合的と思われます。したがって、今回の雇用統計が年内1回並びに、来年3回の利上げという金融政策の正常化プロセスに影響を与える余地は限定的と見ています。

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