中国、対米貿易黒字は拡大 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国、対米貿易黒字は拡大 中国 米国

米中貿易戦争が拡大の様相を見せる中、9月の中国貿易統計は対米輸出が増加する一方、米国からの輸入は減少と、中国の対米貿易黒字がむしろ拡大する方向となりました。9月の対米貿易収支(米国向け輸出と輸入の差)は単月で過去最高となりました。もっとも、関税引き上げ前の駆け込み輸出の動きも想定され、判断には慎重さも求められると見ています。

中国貿易統計:9月は輸出が持ち直す一方、米国からの輸入軟調で、対米貿易戦争懸念の懸念を推定

中国税関総署が2018年10月12日に発表した9月の貿易統計によると、輸出はドルベースで前年同月比14.5%増加と、市場予想(8.2%)、前月(9.1%)を上回りました。一方、輸入は同14.3%増と、市場予想(15.3%)、前月(19.9%)を下回りました。貿易収支は約317億ドルの黒字で、市場予想の(192億ドル)、前月(267億ドル)を上回りました。
9月の対米輸出はドルベースで同14.0%と、前月の同13.2%増からペースが増加しました(図表1参照)。一方、米国からの輸入は前年同月比マイナス1.2%で、8月の小幅なプラスからマイナスに転じました(図表2参照)。


どこに注目すべきか: 米中貿易戦争、駆け込み、大豆、報復制裁



米中貿易戦争が拡大の様相を見せる中、9月の中国貿易統計は対米輸出が増加する一方、米国からの輸入は減少と、中国の対米貿易黒字がむしろ拡大する方向となりました。9月の対米貿易収支(米国向け輸出と輸入の差)は単月で過去最高となりました。もっとも、関税引き上げ前の駆け込み輸出の動きも想定され、判断には慎重さも求められると見ています。

中国の対米貿易収支の動きを考える上で、対米輸出と、輸入に分けて動向を探ります。
まず、輸出を見ると9月の対米輸出は前年同月比14.0%となりましたが、世界経済と貿易は依然回復傾向で、中国の貿易輸出全体の伸びも同14.5%となっています。対米輸出だけが伸びたわけではなく、全体と整合的であるとの見方も必要と思われます。

ただ、対米輸出増加の背景の一部には、中国からの輸入関税引き上げ(9月24日に10%で発動、19年からは25%を予定)を前に、駆け込み的な輸出がデータを押し上げた可能性もあります。

もっとも、仮に駆け込み輸出の増加分が押し上げたとした場合には、持続性が疑問です。9月末に公表された中国の中国製造業購買担当者指数(PMI)の新規輸出受注は48.0と前月の49.4から急低下しました。先行き、中国輸出全般 のペースダウンが示唆される内容と見られます。

次に、輸入を見ると、やや気になる点も見られます。米中貿易戦争が拡大の様相を示す中、中国が米国産エネルギー及び穀物の輸入を減らしたと見られることです。例えば、多くが米国からの輸入と見られる一方、対米報復制裁の対象となっている大豆などは輸入金額が減少しています。中国の輸入は国営企業などが主体で政府の意思が反映されやすいとも言われています。

もっとも、中国の輸入全体を見ても、中国の内需がやや軟調で輸入の伸びは米国に限らず、全体にペースダウンしています。また、中国政府は9月末に最恵国向け輸入関税の一部引き下げを発表(11月1日から実施)したため、輸入を先延ばしにした可能性もあります。

中国は第3国経由の取引などもあり、米中貿易戦争を正確に反映した数字はわかりませんが、米中の対立が続く限り、貿易額減少を見込む必要性があるように思われます。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る