中国の最近の経済指標から想定される贈り物 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中国の最近の経済指標から想定される贈り物 アジア 中国

中国の7-9月期GDP成長率は政府目標に並ぶ水準は確保しています。しかし、中国景気に対する市場の見方は米中貿易戦\争悪化の懸念もあり、警戒的な見方が優勢と思われます。当面は、成長率の下方リスクへの動きを踏まえながら、当局の対応に注目が集まる展開が想定されます。

中国7-9月期GDP:成長率は政府目標に一致 する(6.5%)数字ながら、市場予想下回る

中国政府が2018年10月19日に発表した18年7-9月期のGDP(国内総生産)は前年同期比6.5%増と、市場予想(6.6%増)、4-6月期(6.7%増)を下回りました。水準としては、世界金融危機直後の09年以降で最も小さな伸び率となりました(図表1参照)。

同日に、9月の鉱工業生産、小売売上高(図表2参照)、などが公表されましたが、低調な面も見られました。

どこに注目すべきか: 中国GDP、小売り売上高、インフラ投資、関税

中国の7-9月期GDP成長率は政府目標に並ぶ水準は確保しています。しかし、中国景気に対する市場の見方は米中貿易戦争悪化の懸念もあり、警戒的な見方が優勢と思われます。当面は、成長率の下方リスクへの動きを踏まえながら、当局の対応に注目が集まる展開が想定されます。

最近公表されたデータから判断して、小幅ながら中国の成長率減速が想定される主な要因は次の通りです。

個人消費の動向を示唆する9月の小売り売上高は、市場予想を上回り底堅さを示しました。中国の雇用市場の堅調さは、小売売上高の下支え要因と見られます。

ただ、実質小売売上高を見ると、最近のインフレ率の緩やかな上昇に反比例して、減速傾向が続いています。9月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.5%と、中国中央銀行のインフレ目標(3%)を下回っているなど、インフレを懸念する状況ではないと思われます。それでも、人民元安など潜在的なインフレ率の上昇要因がある点は気がかりです。

投資にはバラツキが見られます。工場やマンション建設を反映する固定資産投資の1-9月期は前年同期比5.4%増と、市場予想(5.3%増)や前月(5.3%増)を上回りました。しかし4月ごろまでは2桁の伸びで景気をけん引していたインフラ投資は1-9月期は同3.3%と急低下しました。中国当局は、景気下支えと同時に、債務削減にも取り組んでいるため、出たり、引っ込んだりの回復パターンが続くと思われます。

貿易戦争の影響を受けやすい輸出も懸念材料です。足元のデータは改善しましたが、関税引き上げ前の駆け込み需要が背景と見られ、今後は減速が見込まれます。

なお、資金需要を示す社会資本調達額は9月が約2.2兆元と前月の1.9兆元を上回っています。しかし、9月は地方政府特別債を新たに算出対象に加えた影響もあり比較には注意が必要です。変化が小幅にとどまった他の指標の動向が実態に近いように思われます。

中国当局も対応の必要性を押し出しています。先週末から、習近平国家主席、劉鶴副首相、中国人民銀行の易綱総裁や馬駿委員らが民間セクターのてこ入れを表明しています。たとえば、馬委員は民間企業の資金繰り難を和らげる施策や、来年の減税、公共料金引き下げなど景気対策にも言及しています。市場対策として、株式担保融資(企業などが保有株式を担保に銀行などから借入)に関連するリスクについて対応を取る可能性が報道されています。

当局の対応への期待と催促が市場動向を左右する展開が想定されます。



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