日銀金融政策決定会合、変動幅を変えず | ピクテ投信投資顧問株式会社

日銀金融政策決定会合、変動幅を変えず 日本 アジア

今回の日銀の金融政策決定会合は、ややハト派的(金融緩和を選好)な印象です。例えば、黒田総裁が会見で現在のところ、10年物国債の金利誘導目標を変えるつもりはないことや、変動幅の(これ以上の)拡大も考えていないと述べ、出口戦略への思惑を抑える格好となりました。

日本銀行金融政策決定会合:金融政策は現状維持、物価見通しを小幅下方修正

 日本銀行(日銀)は2018年10月31日まで開催した金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する金融緩和策の現状維持を賛成多数(政策委員9人のうち、7人賛成)で決定しました。

 同日公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で日銀は、消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比上昇率見通し(中央値)を2018年度から20年度まですべて下方修正しました(図表1参照)。実質GDP(国内総生産)成長率はおおむね現状維持でした。

どこに注目すべきか: 金利誘導目標、貿易戦争、需給ギャップ

 今回の日銀の金融政策決定会合は、ややハト派的(金融緩和を選好)な印象です。例えば、黒田総裁が会見で現在のところ、10年物国債の金利誘導目標を変えるつもりはないことや、変動幅の(これ以上の)拡大も考えていないと述べ、出口戦略への思惑を抑える格好となりました。

 今回の日銀の金融政策決定会合がハト派的と見られる要因として、インフレ率見通しの低下もあげられます。賃金や物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残り、企業の価格設定スタンスが慎重なことなどを背景として指摘しています。もっとも、18年は足元の物価動向を反映させただけで、物価に対する見方はほとんど変化ないと述べるなど判断が偏らないような配慮も見せています。

 経済成長の見通しについても、リスクは上下に振れる可能性があると表現していますが、米国の金融政策や貿易戦争、新興国の動向などマイナス要因を多く指摘しています。

 黒田総裁は会見で、金融政策会合が経済成長へのリスクとして主に2つあげ、米中の貿易戦争とそのほかの国への波及について懸念を示しています。

 2つ目の要因として、米国の金融政策(利上げ)の影響についても言及しています。展望レポートでも、18年度はリスクは概ね上下にバランス、から海外経済を中心に下振れリスクの方が大きい、に変更されています。

 ただし、インフレ率については需給ギャップ(実際のGDPとなる総需要と、平均的な供給力である潜在GDPの差)はプラスに転じ、今後プラス幅を拡大する見込みであると指摘しています(図表2参照)。賃金上昇率の高まりや、家計の値上げ許容度の高まり、企業の価格設定スタンスなどに変化が見られれば、インフレ率が上昇する可能性もあると述べています。

 また、金融緩和の長期化の副作用についても展望レポートで指摘しています。低金利により、金融機関収益の下押しが長期化すると金融仲介機能が低下する恐れがあると述べ、先行きの動向には注意していく必要があるとの文言を同レポートに追加しています。

 ハト派的ながら、副作用に配慮するなど両面のシナリオに言及していることから、金融政策は当面現状維持されると想定しています。米国など他の先進国が正常化に向かう中、日本の緩和姿勢が長引けば、将来価値を割り引くバリュエーションの点では有利なのかもしれません。周回遅れのランナーが元気に走っているように見えなくもないですが。



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