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アルゼンチン格下げ、この点が気になる 中南米

アルゼンチンが短期債務の返済期限延期を巡り、S&Pは同国を選択的債務不履行としました。もっとも、S&Pはアルゼンチンの格付けをCCCに戻す予定であることを声明で示唆しています。実質的にはB-からCCCへの格下げとなる可能性もありますが、アルゼンチンの債務返済状況が厳しさを増していることは間違いないように見られます。

アルゼンチン格付け:S&P、返済期限の延長
は選択的債務不履行に該当すると格下げ

 格付け会社S&Pグローバル・レーティング(S&P)は2019年8月29日、長期債格付け(自国通貨建て、外貨建て共に)をB-からSD(選択的債務不履行)としました。

 S&Pは声明でアルゼンチンが短期債務の返済期限を一方的に延長するとの決定は債務不履行(デフォルト)に該当すると説明しています。

どこに注目すべきか:
選択的デフォルト、リプロファイリング、IMF

 アルゼンチンが短期債務の返済期限延期を巡り、S&Pは同国を選択的債務不履行としました。もっとも、返済時期が遅れるも、設定されていることから、S&Pはアルゼンチンの格付けをCCCに戻す予定であることを声明で示唆しています。実質的にはB-からCCCへの格下げとなる可能性もありますが、アルゼンチンの債務返済状況が厳しさを増していることは間違いないように見られます。

 まず、アルゼンチン財務省が28日に示した返済延期の発表内容を簡単に振り返ります(図表1参照)。

 短期債のうち15%分は満期日に償還、25%は満期から3ヵ月遅れ、残りの6割は半年後に支払うとしています。また利払いは続け、債務減免(ヘアカット)も予定していないことから、支払期日の調整とアルゼンチンは強調しています。

 長期債のリプロファイリング(満期の延長)も10年以下の債券を対象に国内、国外での対応が想定されます。

 国際通貨基金(IMF)向け債務440億ドルについても、今後アルゼンチンとIMFの間で返済条件について交渉が想定されます。IMFの反応を見ると、分析中の段階ながらアルゼンチンの外貨準備高が急減している点を指摘しています(図表2参照)。

 次に、アルゼンチンの状況が急速に悪化した背景を振り返ると、転機は、11日の大統領選の予備選挙で左派のアルベルト・フェルナンデス元首相が予想外の大差で、マクリ大統領の得票を上回ったためです(図表2参照)。10月の本選挙に向けマクリ政権は減税や最低賃金の引き上げなどの経済対策を発表しましたが、ピクテの試算では景気浮揚効果は限定的で、秋の選挙情勢は厳しいと見ています。

 今回の格下げが象徴するように、アルゼンチンを取り巻く状況は厳しさを増していると見られます。経済も4四半期連続マイナス成長や、2桁の失業率と、前政権より悪化している状況です。アルゼンチンの返済能力は悪化している中、先ほどの債務返済に戻ると、債券の償還も気になりますが、もっとも懸念するのはIMFとの交渉す。アルゼンチンが今まで何とか持ちこたえてきたのは昨年のIMFからの500億ドルを越える追加融資と見られます。しかし融資の引き換えに財政収支対GDP(国内総生産)比を一定以下にするなどの規律も求められました。フェルナンデス候補は(そして多くのアルゼンチン国民も)、景気悪化の背景としてIMFの規律が厳しすぎたと考えている面もあるようで、見直しを求めています。IMFとの交渉は難航することが想定されます。選挙の結果次第ながらIMFとの交渉が重要度を増すと見ています。

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