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⽇本の財政から投資の必要性が⾒えてくる⑤ 〜⽇本銀⾏の⾦融政策と課題〜
2018/04/12

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概要
  • ⽇本銀⾏の⾦融政策の決定・実施に対する⾃主性については尊重されていますが、政府の経済政策と整合的になるよう、常に政府と連絡を密にしています。
  • 2013年1⽉、デフレからの早期脱却と物価の安定の下での持続的な経済成⻑の実現に向け、政府及び⽇本銀⾏が⼀体となって取り組むという共同声明を発表しました。
  • この共同声明により、⽇本銀⾏は、⼀段と踏み込んだ⾦融緩和政策の実施を決定し、現在(2018年3⽉)に至るまで継続しています。
  • 結果、⽇本銀⾏は、「量的・質的⾦融緩和」、「マイナス⾦利政策」といった⾦融政策により、バランスシート上の課題を抱えるといったしわ寄せを受ける状態となっています。



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「物価安定の目標」の設定

⽇本銀⾏は、「物価の安定を図ることを通じて国⺠経済の健全な発展に資すること」を理念としています。デフレからの早期脱却を目指し物価の安定を図るため、2013年1月の⾦融政策決定会合で、消費者物価(除く生鮮食品)の前年⽐上昇率で2%を目標とすることを決定しました。

強⼒な⾦融緩和政策

⾦融政策決定会合では、物価安定の目標を実現するため、継続的に⾦融緩和拡⼤策が決定され、実施されています。主な決定事項○2013年4月:「量的・質的⾦融緩和」の導⼊。⻑期国債買⼊れ拡⼤と年限⻑期化。ETF・J-REITの買⼊れ拡⼤。○2014年10月:「量的・質的⾦融緩和」の拡⼤。⻑期国債残⾼年間80兆円に。○2016年1月:マイナス⾦利の導⼊。○2016年9月:⻑短⾦利操作を⾏うことを決定。

⽇本銀⾏のバランスシートへの影響


⼀連の⾦融緩和政策により、⽇本銀⾏のバランスシートの規模は、「量的・質的緩和」の導⼊前の160兆円から529兆円に膨れ上がり、その⼤半は国債の保有残⾼が114兆円から448兆円に増加したことによるものです。国債発⾏残⾼約900兆円の5割を保有していることになります。2016年1月の「マイナス⾦利政策」導⼊後、ほぼ0%近辺の利回りの国債を買⼊れていることから、0.6%(資本勘定3兆円/資産合計529兆円)の⾃⼰資本⽐率しかない⽇本銀⾏にとって、⾦利上昇に脆弱な体質となっています。また、国債発⾏残⾼の5割を保有していることから、⾦融緩和策からの出⼝にも難題を抱えています。


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