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パッシブファンドとアクティブファンド④~インデックス・ファンドの特性と注意点 -2~
2026/06/10

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概要

インデックス・ファンドはトラッキングエラー(ベンチマークとのリターン差)を最小化することを目標にポートフォリオを構築しますが、その値を完全に0にすることは難しいといえます。




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■ポートフォリオとベンチマークの連動性を見る指標

今回はインデックス・ファンドの特性と注意点について、前回に続いてご説明いたします。まず、インデックス・ファンドにおけるポートフォリオの構築についてです。インデックス・ファンドの運用目的はベンチマークのリターンとの乖離をなるべく小さくし、リターンの連動性を高めることです。そのベンチマークとの連動性を見る代表的な指標として、「トラッキングエラー(以下、TE)」と「アクティブシェア(以下、AS)」が存在します。TEとは、ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンの差を示す指標で、リターンの差の標準偏差で表されます。ひと言で表すと、どれだけベンチマークと同じ動きをしているかをみるものです。インデックス・ファンドの場合、その運用目的から想定される通り、TEの値は限りなく0付近に集中します(図表1)。つまり、ベンチマークのリターンとの差が小さく、連動率が高いことを意味しています。一方、アクティブ・ファンドの場合にはTEは上下にバラつきが大きくなります(図表1)。ASとは、ポートフォリオがベンチマークとどの程度異なる銘柄を保有しているかを示す指標です。0%から100%で示され、0%だとポートフォリオとベンチマークの銘柄構成が完全一致、100%だとポートフォリオとベンチマークの銘柄構成が全く異なる  ことを示します。こちらもインデックス・ファンドであればその値は0%に近づくように運用され、アクティブ・ファンドは相対的にこの値が大きくなります。


図表1:インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドのTEのイメージ



■ポートフォリオの構築方法(完全再現法、層化抽出法、数理法)

インデックス・ファンドにおけるポートフォリオの構築方法には「完全再現法」と「サンプル(サンプリング)法」の2つが存在します。さらにサンプル法は層化抽出法と数理法(最適化法)に分かれます(図表2)。


図表2:インデックス運用におけるポートフォリオ構築方法




「完全再現法」とは、ベンチマークとなる指数に含まれる銘柄を、指数と同じウェイトで組入れて運用する方法です。完全再現法のポートフォリオ構築方法は一見シンプルで簡単なように思われますが、実務においては売買コストや流動性の観点から完全再現法を実践しているファンドは多くありません。また、一見、完全再現法を実践しているようであっても、厳密に「すべての構成銘柄を1株残らず完璧に保有する」運用は事実上、困難です。これらの具体的な理由としては、①指数によっては構成銘柄数が膨大になること、②流動性が低い銘柄の存在、③大量の売買に伴うコスト負担、④最低投資単位の制約、⑤キャッシュ(短期金融資産)の存在、などがあげられます。たとえば、①については、ベンチマークの投資対象国が広範にわたり、非常に多くの銘柄数で構成されている場合、そのすべての銘柄を同じウェイトで網羅することはコストや管理の手間が非常に大きく、現実的ではありません。②については、流動性が低い銘柄は必要な数量を常に売買できるとは限りません。指数通りに売買したくても、実際には約定しないこともあります。③については、すべての銘柄を取引しようとする場合、売買手数料やスプレッドが投資家にとって大きな負担となってしまい、こちらも現実的ではありません。④については、売買数量の制約があるため、指数を構成する銘柄の入替が発生した際にその通りの売買ができなかったり、比率の調整などが不可能な場合があります。⑤については、投資信託は、信託報酬などの経費支払い、投資家からの解約への対応などのために、常に一定の現金や短期金融資産を保有する必要があります。一方、ベンチマークにはキャッシュは存在しないため、完全にポジションが一致することはないといえます。以上の理由から、厳密な完全再現法を実践することは難しいといえ、これはすなわちTEを完全に0にすることも事実上困難であるといえます。TEの大きさは投資対象が株式か債券かでも異なるため、こちらは次回以降で改めてご説明いたします。

「サンプル法」とは、完全再現法とは異なり、すべてではなく一部の銘柄でポートフォリオを構築する方法で、その手法として層化抽出法と数理(最適化)法が存在します。層化抽出法は、まずベンチマークの構成銘柄を時価総額、業種などのリターンに影響を与える特性でいくつかの層に分類し、それぞれの層から一部の銘柄を抽出してポートフォリオを構築する方法です。一方、数理(最適化)法とは、ファクターモデル注1を用いて、ベンチマークのリスクとリターンを正確に評価し、その特性を再現できるポートフォリオの構築を行う方法です。

注1:資産の値動きを分解して、どの要因がどれだけ影響しているかを数式で表したもの

                                                                                                                                    

                                                                                                                                           



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