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パッシブファンドとアクティブファンド⑤~インデックス・ファンドの特性と注意点 -3~
2026/06/24

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概要

株式と債券の資産特性の違いから、同じインデックス運用でもその仕組みや運用特性は異なり、債券のインデックス運用のほうがTEの値が高くなる傾向にあります。




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■株式インデックス運用と債券インデックスの違い|銘柄数

今回は、株式と債券それぞれのインデックス運用の違いについてご説明いたします。前号でインデックス運用におけるポートフォリオの構築方法について触れ、厳密な完全再現法の実現やTEを0にすることは実務上困難であることをご説明しましたが、これには株式か債券かで程度の差が存在します。インデックス運用である以上、両者の目的や基本的な運用特性は共通する部分がある一方、そもそも運用の仕組みや特性が異なるため、同じインデックス運用でもその運用の中身にはいくつかの相違点が確認できます。

主な相違点の1つ目は、投資対象となる銘柄数です。日本市場を例に考えます。株式の全上場銘柄数は約3,900銘柄(2026年5月末時点、ETFやREIT等は除外)であるのに対し、日本の債券市場で取引されている銘柄数は約12,000銘柄存在しており注1、株式と比べると銘柄数がはるかに多いことがわかります。債券は発行体が国、地方公共団体、事業会社、金融機関等、広範囲にわたり、かつクーポンや担保付・無担保等でも種類が分かれます。また、同一の発行体が発行したものであっても、利率、償還期限、優先劣後構造等、発行条件が異なれば、それぞれが別の商品という扱いとなるため、このように銘柄数が非常に多くなるといえます。また、株式の場合、発行体が増資等を行っても、発行済株式数が変化するだけで銘柄数が変化することはなく、株価変動によって時価総額ウェイトが自動的に変化するため、リバランスの必要性も低く、ポートフォリオの構築には大きな影響はありません。一方、債券の場合には次々に償還と新規発行があるため、指数と同一のポートフォリオ構築には非常に多くの売買コストがかかることが想定され、実現は困難だと考えられます。

注1:日本証券業協会「公社債売買参考統計値」を参照

■株式インデックス運用と債券インデックスの違い|流動性

2つ目は流動性、売買のしやすさについてです。上場株式の多くは、特に大型株や主要指数の構成銘柄であれば、取引時間中に証券取引所を通してリアルタイムで株価を確認し、小口からも売買することが可能です。つまり、ファンドの運用者がポートフォリオの入れ替えを行う際、売りたいときや、買いたいときに想定した価格で取引を実現できる可能性が高いといえます。一方、小型株や新興企業の銘柄では売買注文が少なく(板が薄い)、大口取引が株価を動かしてしまうことがあります(インデックス・ファンドでは、こうした流動性の低い銘柄をすべて保有せず、代替銘柄で近似するサンプル法を用いることもあります。)。
それに対し、債券は証券取引所のような誰もが自由に売り買いできる場ではなく、相対取引で売買を行うケースが多く、つまり業者(ディーラー)を介して直接売買交渉を行う必要があります。さらに株価のようにリアルタイムで更新される価格はなく、その売買交渉において価格が決まります。そして銘柄数の説明で触れたように、同一の発行体であっても条件が異なれば、別の商品として全く異なる値動きを示す場合もあります。

このように債券は株式に比べ、相対的に流動性が低いといえ、また債券の種類によっては売値と買値の差(ビッド・アスク・スプレッド)が株式に比べ高くなるため、売買コストの観点からも指数に完全に一致するポートフォリオの構築は非現実的だといえます。こうした違いから、株式のインデックス運用においては完全再現法に近い運用を行うファンドがある一方、債券のインデックス運用においては実務上、完全再現法は限りなく不可能に近く、層化抽出法によりポートフォリオを構築することが主な運用となります。そのため、ベンチマークとなる指数のリターンとの乖離を示すTEは債券インデックス運用のほうが大きくなる可能性が高いといえます。     

      



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