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- パッシブ・ファンドとアクティブ・ファンド⑥~アクティブ・ファンドの特性と注意点 -1~
アクティブ・ファンドはαの追及以外にもさまざまな運用目的が存在し、その目的を達成すべくファンド・マネージャーが裁量的にポートフォリオを設計・運用しています。
■アクティブ・ファンドの運用目的・特徴
今回はアクティブ運用を行う、アクティブ・ファンドについて、その特性や注意点等を解説いたします。アクティブ・ファンドは、一般的にその運用目的はベンチマークを上回る収益、つまりαの獲得だと考えられていますが、中にはαの獲得だけが主たる目的ではなく、投資家のニーズ(ESG等)に即したポートフォリオを構築することに重きを置くもの、市場環境に依存しない収益の獲得を目指す絶対収益追求型、ボラティリティを低減して最大ドローダウンを抑制するリスク・コントロール型、TAA(戦術的アセット・アロケーション)を活用するマルチアセット戦略等も存在します(図表1)。よって正確には「ベンチマークや各種制約に対して裁量的にポートフォリオを設計・運用するファンド」といえます。そして、それぞれの運用目的(あるいは複数の運用目的の組合わせ)に応じて、ファンド・マネージャーが予め決められた運用方針の下で経済分析や企業調査等を行い、ファクターや投資銘柄を選定します。このとき、運用制約がない場合、ベンチマークに連動した運用を行う必要はありません。したがって、ベータ(β)≠1となります。またアクティブ運用の要素が強くなる程、トラッキングエラー(TE)やアクティブシェア(AS)も高くなる傾向にあります。その他の特徴も踏まえ、インデックス・ファンドの違いをまとめたものが図表2になります。
図表1:アクティブ・ファンドの代表的な運用目的
図表2:アクティブ・ファンドとインデックス・ファンドの比較
■クローゼット・トラッカーの存在
近年は購入時手数料がなく、信託報酬もかなり低く抑えられたインデックス・ファンドの残高が急激に拡大しています。その理由はもちろんコストの低さもあげられますが、一方で、そもそもアクティブ・ファンドはベンチマークに対してαが得られないという考え方が広まっていることも要因として考えられます。実際にアクティブ・ファンドの運用成績をあげ、その効率性に疑問を投げかけるレポートも散見されますが、クローゼット・トラッカーの存在には注意が必要です。クローゼット・トラッカーとは、「アクティブ運用を行うとしながら実質的にはインデックス運用に近いファンド」のことであり、「隠れインデックス・ファンド」ともいわれています(図表3)。これまで言及してきたTEやASでご説明をすると、どちらもインデックス・ファンドに近い、低い値になるのがクローゼット・トラッカーです。実際にファンド・マネージャーの力量がなく、運用成績が悪いアクティブ・ファンドは淘汰されるべきかもしれません。しかし、インデックス・ファンドのリターンを下回るクローゼット・トラッカーがアクティブ・ファンドに分類されることで、アクティブ・ファンド全体のパフォーマンスに下押し圧力がかかっている可能性には留意する必要があり、この存在を無視して、アクティブ・ファンドの是非を考えることは適切ではないと考えられます。
図表3:主な投資スタイル別のアクティブシェアとトラッキングエラーの関係性のイメージ
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