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- パッシブ・ファンドとアクティブ・ファンド⑦~アクティブ・ファンドの特性と注意点 -2~
アクティブ・ファンドを評価するインフォメーション・レシオはシャープ・レシオとは異なり、ベンチマーク対比でのリスクやリターンを基にして算出されます。
■アクティブ・ファンドの評価方法:インフォメーション・レシオ
今回はアクティブ・ファンドの評価方法についてご説明いたします。まず、ここで言及するアクティブ・ファンドはベンチマークを上回る収益の追求が主たる運用目的だと仮定します。このとき、運用の効率性を評価する代表的な指標として「インフォメーション・レシオ(以下、IR)」があげられます。IRとは、その値が高いほど質の高いリターンを提供していると考えられる指標であり、アクティブ・リターンをアクティブ・リスクで割って算出します。アクティブ・リターンとはアクティブ・ファンドのリターンからベンチマークのリターンを引いたもの、アクティブ・リスクとはこれまでご説明してきたトラッキングエラーを指します(図表1)。一般的に、IRは0.5以上であると優れたパフォーマンスでベンチマークを安定的に上回っていることを示し、機関投資家の評価において広く使われる目安です。1.0以上は非常に優れた水準ですが、長期にわたって安定的に達成することは極めて困難だと考えられます。0〜0.5未満はコストを考慮するとインデックス・ファンドに対する優位性が不明確である、0未満はベンチマークに対して継続的に劣後していることを示します。ファンド全般の運用効率性を図る指標に「シャープ・レシオ(以下、SR)」が存在します。これはアクティブ・ファンドのリターンから無リスク資産のリターンを差し引いた絶対リターンをリスクで割って計算されるもので、よく用いられる指標ではあります。しかし、SRで使用するリターンは単にリスクを大きく取って市場全体のリターンを得ただけなのか、あるいはファンド・マネージャーが個別に判断した結果として得られたものなのかの区別がつきません。そのため、アクティブ・ファンドの評価としては不十分であり、ベンチマーク対比でのリターンやリスクを基にして評価すべくIRが用いられます。
図表1:インフォメーション・レシオ(IR)
たとえば、図表2のように同一指数をベンチマークとするファンドAとファンドBを比較すると、ファンドAの方がベンチマークを上回る収益を生み出しています。しかしながら、SRを計算すると、ファンドBの方が優れているといえ、ここで評価に矛盾が生じてしまいます。また、既述のとおり、高いSRが市場全体のリターンによってもたらされたものなのか、ファンド・マネージャーが個別に判断して得られた結果であるのかがわからないため、両ファンドの主たる運用目的がベンチマークを上回る収益を追求することであるならば、SRではなくIRを用いて評価・比較すべきだと考えられます。
図表2:シャープ・レシオ(SR)での比較
(※計算の簡素化のため、無リスク資産のリターンは0%とする)
またIRは、情報係数(Information Coefficient、以下IC)とブレスを乗じて算出することもできます(図表3)。ICとはファンド・マネジャーの予測の正しさを表し、選定銘柄の予測リターンと実現リターンの相関係数で表されます。ブレスとはファンド・マネージャーの独立した投資判断の回数を示します。ただし、この式においてIRを高めるためにはICを引き上げる、つまり予測の精度を高めるか、ブレスを引き上げる必要があるということになりますが、ブレスの引き上げは単に投資銘柄数を増やし、リバランス頻度を上げるだけでも高めることができ、運用手法(クオンツ運用等)によってはこの部分で差が生じることに注意が必要です。
図表3:インフォメーション・レシオ(IR)の別式
最後に、IRは過去のデータを用いて計算するため、必ずしも将来同じようなリターンが再現されるわけではない点には注意する必要があります。つまり、IRが高いからといっても、リターンの再現性が担保されている訳ではないということです。また、その計測期間が短すぎる場合、ファンド・マネージャーの正確なスキルが図れないため、一般的には最低3年以上の計測期間が必要だと考えられています。また、前号でご説明したように、すべてのアクティブ・ファンドがベンチマークを設定し、そのリターンを上回ることを主たる運用目的にしているわけではないため、すべてのアクティブ・ファンドをIRで評価できるわけではありません。
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