世界の富裕層に支持されてきた
「目利き力」とは?

世界の富裕層に支持されてきた
「目利き力」とは?

世界の富裕層に支持されてきた
「目利き力」とは?


第2回

テーマ株式運用チーム・ヘッド
ハンス・ピーター・ポルトナー




ハンス・ピーター・ポルトナー

テーマ株式運用チーム・ヘッド

1992年からバーゼルにあるUBSブリンソンで世界株式のポートフォリオ・マネージャーとしてキャリアをスタート。1997年にピクテに入社し、シニア・インベストメント・マネージャーとして世界株式運用を担当。1999年から2001年はロンドン・オフィスに勤務し、ジュネーブに戻ってからは、ウォーター株式戦略、公益株式戦略等を担当。現在は、テーマ株式運用チームヘッドおよびシニア・インベストメント・マネージャーとして、テーマ株式戦略全体の管理・統括を担う。運用経験年数 29年。




200年以上にわたって蓄積された経験と知恵


ー200年を超えて語り継がれてきたピクテの思想とは、どのようなものだと思いますか?

長期的思考は、長い歴史の中で受け継がれてきたピクテのDNAです。

私自身も、相場に短期的な影響を与える噂を追いかけることはせず、将来の成長の要因をじっくり見極めるなど、投資家として長期的な時間軸を持つように努めています。

例えば、投資先の企業とパートナーのような関係を構築し、経営陣と対話することもあります。そこでも、長期的な視点を持って議論し、目先の業績をいかに改善するかという事よりも、事業の長期的な価値やリスクについて理解を深めるよう努めています。

200年以上にわたってビジネスを行ってきたピクテにはそういった長期的思考がしっかりと根付き、お客様の大切な資産を運用しています。



ーその長期的思考について、ハンス自身も経営者から何かを語り継がれましたか?

入社して間もない頃、当時のピクテのパートナー(経営陣)の一人に、自宅に招かれたことがありました。そのとき、長期的思考を体現する彼の暮らしを肌で感じることがありました。

まずその家が、父親のさらに前の世代から引き継がれ、非常に長く住まわれてきたことが一目で分かりました。それほど歴史を感じさせる家だったのです。

玄関に立つと、敷石が少しへこんだ形をしていることに気づきました。それだけ数多くの人が、その家を訪れたことを示すものでした。さらに驚いたのは、その敷石をひっくり返すと、反対側も同じようにへこんだ形をしていたのです。敷石ひとつとっても、長く大切に使っていくという考え方が表れているように感じました。

お客様の資産を守ることのみならず、自らの生活や生き方においても「大切に使い育てる文化」を持ち合わせていることを、ピクテのパートナー個人の生活の中から感じた貴重な体験でした。



ーピクテは、少数のパートナーが出資をして共同で経営を行うパートナー制が特徴ですが、これによりどのような企業文化が醸成されていると思いますか?

ピクテのパートナー(経営陣)は常に複数(2021年4月現在は7名)で構成されますが、在任期間が長く、パートナー同士の親交も深いのが特徴のひとつです。この傾向はパートナーだけではなく、全社的な企業文化としても表れていると思います。

社員は、何年もかけて信頼関係を築き、親交を深め、知識を共有し、お互いに良い影響を及ぼしあう文化が形成されています。

目先の業績を重視したり、離職率の水準が高い傾向にある会社の場合、このような交流は起こりにくいと思います。

なぜなら、信頼を築くには、ある程度長い時間が必要だからです。入社して数年というような、信頼関係が出来る前に辞めてしまう人が多い職場環境では、このような文化が生まれるとは考えられません。

このように、ピクテのパートナー制は、単に会社形態や資本に関するものにとどまらず、人と人のつながりを醸成していると思います。



「目利き力」の本質に迫る


ー数ある銘柄を目利きするプロに求められる能力や資質とは何だと思いますか?

一言で言うなら、それは「集中力」です。投資対象の企業数を絞り込んだ上で、それらの企業を集中して分析します。

一般的に、ベンチマーク運用を行う株式運用者の場合、投資対象が広範に及ぶため、この逆を行う傾向にあります。つまり、「広く浅く」分析するということです。

我々のような、各投資テーマのスペシャリストによる株式運用は、分析する企業を絞り込んで、「狭く深く」企業を分析することができます。実際、私たちは投資対象の企業について、あらゆることを熟知しています。

つまり、自分の専門分野を誰よりも熟知すること。これが、目利きをするプロに求められる能力だと考えています。



ーその「目利き力」は、他社に真似することが出来ない、ピクテならではの強みだと思いますか?

ピクテの運用は、チームで連携して行われます。精通する分野が異なる目利きのプロを集めてチームを構成し、常に情報を共有しながら運用を行っています。

これを行うためには、ある程度の会社の規模が重要です。ピクテでは、ジュネーブの他にも、ロンドンや上海、東京、アメリカなど世界中にオフィスがあります。そして、各地域の運用のプロが連携して情報を共有し、ピクテの運用力を高めています。

ピクテの世界中のオフィスに、各分野に精通する目利きのプロが所属し、パートナー制によって培われた文化のもと、地域を超えて交流し、日々情報を共有する。このようにして、ピクテの目利き力は日々高まっているのです。



ピクテならではのテーマ株式運用とは


ー数ある投資テーマの中から、どのようにして実際に投資するテーマを選定しているのですか?

私たちは、メガトレンドと呼ぶフレームワークを使って投資テーマを選定しています。

私たちが評価するのは、少なくとも15年以上にわたる長期のトレンドです。それでいて、社会の生活や国家の機能、企業のビジネスなどに長期的に影響を与える、力強さを持つテーマをメガトレンドと呼んでいます。

そのメガトレンドに該当する企業や経済活動を探すことで、投資先の企業が長期的、かつ興味深い成長をするかを確認しています。

ですので、長い目で平均以上の成長をする企業を特定するには、まずは大きな潮流、つまりメガトレンドを見極める必要があります。



ーメガトレンドに該当する投資テーマの中でも、敬遠する銘柄はありますか?

株価があまりにも割高な水準にある銘柄は投資をしません。

私たちは、もちろん成長は追求しますが、お客様の資産を守る事を最も重視しています。そのため、大きく下落する可能性が相対的に高い、割高な銘柄には投資を行いません。

ピクテのテーマ株式運用は、株式市場全体よりも、下落幅を抑えることができると私は考えています。

なぜなら、一般的な株式投資では、景気サイクルによって下落する局面もありますが、メガトレンドは景気によって左右されるものではなく、長期で継続するものです。

そのため、メガトレンドに該当する事業を営む企業に投資をしていれば、例え不景気になったとしても、下落幅は限定的になるか、もしくは下落した後の回復が相対的に早くなる傾向があると考えています。

しかし、株価が過大評価されている場合はこの限りではありません。ですので、メガトレンドに該当する成長株であったとしても、投資をしない事があります。



ー銘柄の目利きにおいて、ESGの観点はどのように役に立ちますか?

最近、ESGという言葉がよく聞かれるようになりましたが、私たちにとってはこれまでと何の変化もありません。最初からずっと行っていることです。なぜなら、ピクテではお客様そして社会に対する「責任意識」に基づいて長きにわたり行われてきたことだからです。

投資の観点では、ESGは非財務的なリスクを理解するのに役に立ちます。長期で成長する企業を見極めるには、財務諸表を見ているだけでは十分ではありません。

例えば、ある会社が行っている事業について、自治体や地元住民が不満を持っていたとしたらどうでしょう。この会社は、ESGのうち「S」、つまり社会的リスクがあると評価します。このような会社に長期で投資をすることは、リスクがあると我々は考えます。

このように、非財務的なリスクも重視した運用は、お客様の大切な資産を運用する上で欠かせないことであり、長期投資を大前提としている私たちにとって当然の取り組みとして受け継がれてきました。




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