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中東情勢の悪化およびエネルギー供給問題の下での投資戦略(詳細)
2026/04/30

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概要

●中東での紛争の影響が相対的に大きいとみられるアラブ首長国連邦(UAE)の不動産関連などを中心に、組入比率を引き下げる一方、ブラジルなどの原油関連銘柄の投資比率を高位に
●足元では、株価が下落しバリュエーション(投資価値評価)面での魅力が増した、素材銘柄などに注目



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Q・中東情勢の悪化およびエネルギー供給問題を背景とした3月の投資行動を教えてください。

中東での紛争の影響が相対的に大きいとみられるアラブ首長国連邦(UAE)について、特に影響が大きい不動産関連などを中心に、組入比率を引き下げました。一方、ブラジルなどの中東での紛争の直接的な影響が及ばないと考えられる地域のエネルギーセクター銘柄などの組入比率を高めました。足元では、株価が下落しバリュエーション(投資価値評価)面での魅力が増した、素材銘柄などに注目しています。

Q・中東情勢の悪化およびエネルギー供給に関する各国の見通し・考え方について教えてください。

ブラジル:石油をはじめとした資源純輸出国で、中東情勢の悪化の影響を相対的に受けにくい経済です。歴史的に見ても株価は割安水準となっており、銘柄を厳選して資源、消費関連などを中心に組入れています。ただし、輸入している一部石油精製品の供給制約や、エネルギー価格上昇によるインフレ圧力には留意が必要とみています。

メキシコ:原油をはじめとした資源の自給率が高く、石油精製品の輸入に関しては主に米国からで、エネルギー供給面や地理的条件から中東情勢の悪化の影響を相対的に受けにくい経済です。経済成長は予想以上に堅調ですが、既に株価に織り込まれているとみています。

南アフリカ:原油の純輸入国であるため供給面の不安はマイナス材料とみています。ただし、金、アルミニウム、リチウム、ウランについては、地政学リスクの悪化、電化の進展やエネルギーシフトなどの構造変化による需要の拡大などを背景に、引き続き前向きな見方を維持しています。

インド:原油高による同国経済への影響およびAI(人工知能)によるネガティブな影響を踏まえると、現時点では高い確信度は持っていないものの、良好な利益モメンタムを有する銘柄に引き続き注目しています。

アラブ首長国連邦(UAE):短期的な影響は避けられませんが、長期的なストーリーは引き続き有効と考えています。UAEの不動産株は売られ過ぎの水準にあると見ています。

· (詳細)UAE市場は、中東紛争開始以降、最もパフォーマンスが弱い市場の一つとなっています。投資家心理は短期的に慎重です。ドバイが人材・資本・観光の集積地としての地位を維持できるかという当初の懸念は、住宅賃貸の契約更新データにも表れ、紛争開始から最初の3週間で一部エリア(短期・高級賃貸)で大きく減少しましたが、その後は紛争前の水準に回復しています。住宅価格も比較的底堅く、3月の下落率は前月比で若干の減少にとどまりました。もっとも、紛争が長期化した場合には、人口増加の鈍化、観光需要の低下、オフプラン物件(建設途中で販売する物件)のデフォルトリスクを通じて、引き続き影響を受けやすい点には留意が必要です。 

·  UAEの大手不動産企業であるエマール不動産の2026年第1四半期の販売戸数は約3,000戸で、2025年第1四半期の3,167戸からは小幅な減少にとどまりました。同社は継続的な収益の比率が高く、同業他社と比べて相対的な耐久力を備えています。一方で、ホスピタリティ部門は紛争に伴う影響を最も受けやすいセグメントです。

·    短期的には慎重姿勢が妥当であるものの、中長期的な構造的成長機会が大きく損なわれているとは現時点では見ていません。UAEの不動産セクターは2026年のピーク比で約20%超下落しており(DFM不動産指数)、リスク・リターンの観点からは投資妙味が高まりつつあります。紛争が明確に収束すれば、UAEの不動産セクター全体の評価見直しにつながる重要なカタリストになると考えられます。

サウジアラビア: 個別企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)に大きな悪化は見られないものの、中東情勢は引き続き短期的な見通しを不透明にしています。紅海へのアクセスにより、原油輸出を最大でおよそ半分を維持できる能力と原油価格の上昇で、同国経済は中東のなかで相対的に良好です。主要企業の業績予想の上方修正が継続しており、バリュエーション(投資価値評価)も魅力的な水準とみています。

トルコ:中東情勢に関してぜい弱で利益モメンタムおよびバリュエーション面からみて魅力的な銘柄が少ないとみています。高騰している主要防衛関連銘柄に関しては、当ファンドでは、投資除外銘柄のため投資していません。

フィリピン:エネルギー関連リスクへのぜい弱性を踏まえ、銘柄を厳選して投資しています。

インドネシア:同国経済は原油高に対してぜい弱であり、投資魅力のある銘柄は限定的です。

ベトナム:同国経済では、エネルギー供給リスクが高いが、グローバルなテック企業による投資(いわゆる「China1」)が継続しており、ハイテク投資が非常に強い国内総生産(GDP)成長を支えるとみており、情報技術銘柄中心に注目しています。

マレーシア:原油の純輸出国であり、GDP成長も非常に堅調です。利益モメンタムやバリュエーション面で魅力的な銘柄を厳選して投資しています。

Q.こうした環境下での注目銘柄について教えてください。

ブラジル石油公社(ブラジル、エネルギー)20263月末組入1位):(世界有数の低コスト油田を所有。巨大埋蔵量と長期生産余地が大きい。ブラジル政府が議決権の過半数を所有)依然として高い配当利回りが魅力。中東での紛争の直接的な影響が及ばないと考えられる地域のエネルギーセクターに注目しています。

CIMBグループ・ホールディングス(マレーシア、金融)(20263月末組入4位):(商業銀行)東南アジア中心に事業を展開。マレーシアは原油の純輸出国であり、GDP成長も非常に堅調です。CIMBはその恩恵を受ける主要な受益者と考えています。

カザトムプロム(カザフスタン、エネルギー)(20263月末組入5位):(世界最大のウラン採掘生産企業。カザフスタンは世界ウラン生産の約40%を占める。政府系ファンドが75%所有。「原発ルネサンス」の最大受益者の一つ。欧州・米国・中国・中東における原発寿命延長、新設計画再始動、“非ロシア・非西側制裁対象”の最大供給源としての恩恵を受ける。)中東情勢の悪化によるエネルギー価格上昇や世界的な原子力発電への需要増大によるウラン需要の増加などに注目しています。

クレディコープ(ペルー、金融)(20263月末組入8位):(様々な銀行事業を行う)国内政治の混乱はあるものの、ペルーのGDP成長は堅調です。同国の主力輸出品である銅の需要は、インフラや再生可能エネルギーの需要拡大が下支えし、底堅さを示していると考えています。クレディコープは利益成長および業績予想を上方修正しており、配当利回りも5%超と魅力的な水準です。

モバイル・ワールド・インベストメント(ベトナム、一般消費財・サービス)(20263月末組入9位):(総合小売企業。デジタル機器、家電、食品、スーパー、薬局などを展開。)原油価格の上昇はベトナムの経済に、マイナス要因ですが、グローバルなテック企業による投資(いわゆる「China+1」)が継続しており、同国および同社には成長余地があると見て注目しています。

 グルポ・メヒコ(メキシコ、素材)(2026年3月末のメキシコの素材セクター(GICS1分類)組入第1位:(鉱山、輸送、インフラ事業を行う。グローバルに事業を展開。世界トップクラスの銅生産者。銅のほか銀、モリブデン、亜鉛、金などの探鉱も行う。メキシコから米国に及ぶ広範な鉄道網を所有し、貨物や旅客を輸送。複数の高速道路を運営し、建設会社も所有。)主に銅エクスポージャーの観点から評価しており、これが株価の主要なドライバーと考えています。一方で、原油高に関しては、同国は自給率が高く同国経済への影響は相対的に小さいとみていますが、原油高に伴う世界経済成長の減速がもたらす潜在的な影響については注視しています。

※当資料内で記載の個別銘柄・企業については、特定の銘柄の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、その価格動向等を示唆するものでもありません。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります

 



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