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- iTrustバイオ|アポジー・セラピューティクスをアッヴィが109億米ドルで買収
●米国のバイオ医薬品企業アポジー・セラピューティクスを大手医薬品企業アッヴィが109億米ドルで買収
●特許切れに直面する大手医薬品企業にとって、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、有力な治療薬やパイプライン獲得のための手段のひとつ
※このレポートは、あくまで当ファンドの主な投資対象であるバイオ医薬品株式市場の投資環境について説明したもので、必ずしもファンドの状況について説明したものではありません。
米国のバイオ医薬品企業アポジー・セラピューティクスを大手医薬品企業アッヴィが109億米ドルで買収
2026年6月22日、米国のバイオ医薬品企業アポジー・セラピューティクスを、世界的な大手医薬品企業アッヴィ(米国)が1株あたり135.11米ドル、総額109億米ドルで買収することを発表しました。なお、取得価格の1株あたり135.11米ドルは、前営業日(6月18日)の終値を49%上回るプレミアム水準となっています。
アポジー・セラピューティクスは、承認済みの治療薬を持たない臨床段階のバイオ医薬品企業ですが、アトピー性皮膚炎や喘息などの免疫・炎症疾患領域で複数の有望なパイプライン(新薬候補)を有しています。一方、アッヴィは、免疫・炎症疾患領域の主力治療薬スキリジーとリンヴォックが順調に売上を拡大しているものの、今後の成長を支える新たな治療薬やパイプラインの獲得が重要な事業戦略上の課題となっていました。
アポジー・セラピューティクスの有望なパイプラインであるIL-13を標的とする長半減期モノクローナル抗体ズミロキバート(APG777)は、アトピー性皮膚炎に対する治験で有効な結果が得られていることに加え、喘息や好酸球性食道炎などへの適応拡大に向けた開発も進められています。またズミロキバート単剤に加え、IL-13と他のターゲットを組み合わせたコンボ抗体プログラムもアトピー性皮膚炎や喘息向けに開発が進められており、アッヴィはこれらのパイプラインがピーク時に複数のブロックバスター(年間の売上高10億米ドルを超える大型治療薬)となる可能性について言及しています。
特許切れに直面する大手医薬品企業にとって、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、有力な治療薬やパイプライン獲得のための手段のひとつ
主力の治療薬の特許切れなどに直面する大手医薬品企業や大手バイオ医薬品企業にとって、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)は、有力な治療薬やパイプライン、技術・知見が獲得でき、成長の継続や主力医薬品の特許切れの問題を解決する有効な手段のひとつとなっています。
一方で、買収の際には、市場価値に買収プレミアムが上乗せされた価格が提示されることが多く、その場合、買収されるバイオ医薬品企業の株価は買収実現の可能性が評価されて、提示された価格に向けて上昇する場合がほとんどです。またM&Aが活況となれば、今後、M&Aのターゲットとなる可能性が高いとみなされたバイオ医薬品企業にも投資家の注目が集まり、バイオ医薬品株式市場全体のパフォーマンスを押し上げる要因にもなります。
2026年のバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、順調に推移し、6月時点で、金額ベースで2025年の80%程度まで案件が成立
大手医薬品企業によるバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、2024年は米国大統領選挙を控えていたこともあり、ここ数年の中では低調な水準となりましたが、2025年はトランプ政権のヘルスケア関連の政策などが不透明要因となりながらも回復傾向となり、年間の買収金額の合計は900億米ドルを超える規模となりました。2026年についても、2025年の流れを引き継ぐかたちでM&Aの案件が成立しており、買収金額は6月23日時点の合計で740億米ドル超となり、金額ベースで2025年の80%程度まで案件が成立しています。
2026年の年初来では、今回のアッヴィによるアポジー・セラピューティクスの案件以外にも、グラクソスミス・クライン(英国)によるニューバレント(米国)の買収(2026年6月9日、約106億米ドル)、バイオジェン(米国)によるアペリス・ファーマシューティカルズ(米国)の買収(2026年3月31日、約56億米ドル)、ギリアド・サイエンシズ(米国)によるアーセレックス(米国)の買収(2026年2月23日、約78億米ドル)、メルク(米国)によるターンズ・ファーマシューティカルズ(米国)の買収(2026年3月25日、約67億米ドル)など複数の大型案件が成立しており、買収金額の増加に寄与しています。
前述の通り、特許切れ問題に直面する大手医薬品企業にとって、M&Aは事業を拡大する上で重要な選択肢のひとつとなっており、魅力的な新薬候補や高い技術力を有するバイオ医薬品企業は、引き続きM&Aのターゲットとして注目を集めるものと考えます。
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