iTrustインド株式|2026年年初来のインド株式市場と当ファンドの運用状況(2026年5月UPDATE)
●2026年年初来のインド株式市場は、他の主要国に比べると引き続き低調。ただし、4月以降は持ち直しの兆しも
●先行き不透明な環境下、当面は外部要因の影響を受けて値動きが大きくなる可能性に引き続き警戒が必要
●引き続き、当ファンドではインド国内の需要拡大から恩恵を受ける分野・銘柄により焦点を当てたポートフォリオの構築で対応
2026年年初来のインド株式市場~AI代替懸念によるITサービス銘柄の下落、原油価格上昇、海外投資家の資金流出などが重荷に~
2026年年初来のインド株式市場は、代表的な株価指標であるMSCIインド株価指数(現地通貨ベース、配当込み)で、5月12日までで-7.5%の下落となりました。特に1-3月期の下落率が他の主要株式に比べて大きくなりました。しかし、4月以降は持ち直しの兆しもみられます(5月12日時点)。
インド株式市場の重荷となっている要因には、2026年年初来、AI(人工知能)が業務系ソフトウェアを代替するとの懸念の高まりなどから、主力のITサービス銘柄群が下落基調となっていること、3月に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始して以降、原油価格の上昇により、原油純輸入国であるインドはマイナスの影響を受けると懸念されることなどが挙げられます。また、インド国内投資家のインド株式への投資意欲は引き続き底堅いものの、海外投資家が資金を引き揚げる動きを強めたことも、不安定な値動きの要因となっています。
今後の見通し ~当面は、外部要因の影響を受けて値動が大きくなる可能性に引き続き警戒が必要~
インド経済は人口と所得の増加などの構造的な成長要因を持っており、インドの株式市場は、長期的に魅力的な投資先であるとの見方に変わりはありません。
しかし、当面、インド株式市場は値動きが大きい展開が続く可能性があることには警戒が必要です。イラン情勢を受けて原油価格の高騰が続いた場合、原油純輸入国であるインド経済はマイナスの影響を受ける可能性が懸念されます。こうした懸念が、インド株式市場に対して暗い影を落としています。また、AI(人工知能)の汎用化により、インドの主力産業の1つであるITサービス分野の先行きの成長性を懸念する向きが強まっていることも、マイナス材料です。
インド企業の今後の業績動向については、原油価格の動向を注視する必要がありますが、原油価格が正常化すれば健全な成長が期待できると考えます。また、足元のインド株式のバリュエーション(投資価値評価)水準をみると、グローバル株式に対するプレミアムが大幅に低下しています。このような相対的なバリュエーション面での魅力の改善は、インド株式の下支え要因になると期待されます。
当ファンドの運用方針 ~引き続き、国内需要拡大が成長ドライバーとなる分野・銘柄に焦点を当てたポートフォリオ~
当ファンドの運用においては、これまでインド国内の需要拡大から恩恵を受ける分野(個人向け金融、ヘルスケア、消費関連など)やインドの強みを活かしたITサービス分野などが、中長期的に持続的な成長が期待できる分野であるとの見方から、こうした分野・銘柄に傾注したポートフォリオの構築を行ってきました。足元でも、この方針に大きな変更はありませんが、これまで以上に、国内需要拡大が成長ドライバーとなる分野・銘柄に焦点を当てたポートフォリオの調整を行っています。
昨年末に比べて構成比率が高まった主なセクターは、金融とヘルスケアです。
金融については、株価調整によりバリュエーション(投資価値評価)面での魅力が高まったことを受けて、バランスシートが堅固な民間銀行の組入比率を引き上げてきました。4月にも、良好な直近四半期決算を発表したICICI銀行について、依然としてバリュエーション面での魅力があることなどから投資の好機と捉え、買い増しを行いました。
ヘルスケアについては、インド国内で需要の高い慢性疾患治療薬を主力とし、良好な企業のファンダメンタルズを有しているにも関わらず株価が下落した医薬品銘柄の買い増しを実施してきました。4月には、インドの病院セクターの成長性などを考慮し、そのなかで優れた経営力、競争優位性を持つと考えられる病院経営大手企業の買い増しを行いました。
一方、昨年末に比べて構成比率が低下したセクターは、情報技術や一般消費財・サービスなどです。いずれも、中長期的には成長が期待できるとの見方に現時点では大きな変更はありません。しかし、AIの汎用化による競争環境の悪化や業績へのマイナスの影響を懸念する向きが大きく、こうしたことが株価の下押し圧力になると考えられることから、組入比率の引き下げや銘柄数の絞り込みを実施しています。
今後も、健全な企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)を有し、持続的に成長が期待できる事業展開を行っているにもかかわらず、市場全体の流れを受けて株価が下落している優良銘柄については、丹念な調査・分析に基づき選別を行った上で、ポートフォリオに加えていく方針です。
【2026年4月に組入比率を引き上げた銘柄例】ICICI銀行(ADR)|2026年4月末時点 組入第1位
インドの民間銀行大手の一角。強力なブランド力と顧客基盤が厚いことなどが強み。特に、収益力、デジタル戦略、リスク管理などで業界内でも優位性を持つ優良企業。
2026年4月18日に発表された同社の2026年1-3月期決算では、堅調な融資の伸びを受けて利益は市場予想を上回る成長が示されました。また、不良債権比率も引き続き低水準で、資産の健全性も維持されています。インドの経済成長を背景に、同社の中核事業であるリテールや中小企業向け貸出は、今後も中長期的に拡大すると期待されます。こうした市場環境のなかで、同社は競争優位性を有していることから、持続的に安定した成長が期待できるとの確信度が高いと考えています。
一方で、予想株価収益率(PER)をみると、昨年以降低下傾向が続いており、足元では過去10年間の平均を大きく下回る水準にあります。こうした状況を良好な投資機会であると捉え、買い増し、組入比率を引き上げました(ご参考|2026年3月末 8.1% → 2026年4月末 8.4%、ファンドの主たる投資対象であるピクテ・インディアン・エクイティーズにおける状況)。
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