iTrust ティンバー|足元の森林・木材関連企業を取り巻く投資環境 (2026年9月更新)
●8月の当ファンドの基準価額は、前月末比で小幅ながら下落
●生産能力の縮小など、供給主導による木材関連製品の需給バランスの改善は続く
●森林・木材関連企業の株式への投資は、AIや技術革新によっても陳腐化しにくい身近な「実物資産」への投資ともいえる
8月の当ファンドの基準価額動向と木材関連製品の価格動向
2026年8月の当ファンドの基準価額は、前月末比-0.1%と小幅ながら下落し、AI(人工知能)の成長性への期待などを受けて上昇した先進国株式(配当込み、円ベース、+3.9%)を下回るパフォーマンスとなりました。
長期金利の上昇が逆風となった森林所有・管理(森林リート)の銘柄や、需要の軟化を受けたダンボール原紙分野の銘柄の株価が下落したことなどが、基準価額に対してマイナス寄与となりました。一方、木材製品、包装材、紙製品などの分野の銘柄は底堅い株価推移となり、プラス寄与となりました。特に、カナダの木材製品分野の銘柄は、生産能力の縮小により木材価格が上昇したことが好感され、堅調な株価推移となりました。
米国の住宅着工件数や新築住宅販売件数などは引き続き低調でした。また、住宅ローン金利は上昇しています。このように需要面では厳しい環境が続いているものの、生産能力の縮小による供給抑制が木材価格を下支える状況が続いています。
米国とカナダの貿易摩擦は激化し、米国は多くの品目にわたるカナダ製品に対して50%の追加関税を発動しました。こうした関税政策や地政学的要因は、木材関連商品の需要や価格に影響を与えることが懸念されています。なお、米国向けの針葉樹製材(ソフトウッド)については、新たな追加関税の適用除外となっており、引き続き合計約45%(米商務省による通商不公正に対する措置(およそ35%)+通商拡大法232条に基づく追加関税(10%))の税率が適用されています。
※上記における先進国株式の騰落率は、MSCI世界株価指数(配当込み)を当ファンドの基準価額の算出に合わせて1営業日前ベースで円換算しています。当ファンドの月報に記載している参考指数(MSCI世界株価指数(配当込み))の円換算で採用する為替レートとは適用時点が異なります。
森林・木材関連企業の株式への投資において、注目すべき指標
① 米製造業景況感指数(ISM)|2026年以降、改善基調
米製造業景況感指数(ISM)は年初から改善基調にあります。
長期的な過去の実績では、当ファンドと同様の運用を行うルクセンブルグ籍の類似ファンドのパフォーマンスは、米景況感指数の改善局面で、市場全体をアウトパフォームする傾向がみられました。
➁ 木材関連市場での需給バランス|供給主導で回復基調
木材繊維関連全般において稼働率は非常に高い水準にあります。
その背景には業界全体の生産設備縮小があります。例えば、昨年から今年初旬にかけて、米国のダンボール原紙の生産能力は約10%縮小されました。
供給が大幅に引き締まったことで、需要が少しでも回復すれば需給バランスが急速に改善し、価格上昇につながる可能性があるとみています。
仮に中国経済の弱さや消費マインド低迷により需要回復が限定的であったとしても、長期的な減産や設備投資の延期などによる「供給主導の回復」が期待されます。
実際に、ダンボール原紙メーカーは値上げに成功しているなど「供給主導の回復」の兆しはいくつかみられはじめています。
➂バリュエーション(投資価値評価)|特に、PBRが顕著な割安感を示す
当ファンドの投資先企業の株式のバリュエーション水準は、過去10年超の平均に比べて割安な水準にあります。また、先進国株式のバリュエーション水準と比較しても、相対的に魅力が高まっていると考えられます。この傾向は、株価純資産倍率(PBR)で顕著に表れています。特に、投資対象である森林の所有・管理を行う企業については、所有する森林の資産価値に対して、株式市場での評価は大幅にディスカウントされた状態にあるとみられます。
身近な「実物資産」への回帰
株式市場においては、AI(人工知能)関連銘柄に人気が集まる状況が続いていますが、木材関連企業は、AIや半導体などでは代替できない生活に必要不可欠な製品・商品(例えば、トイレットペーパー)を提供しています。これらの産業では大規模な設備が必要であり、設備の置き換えや、サプライチェーンの再構築には巨額な資金が必要になる可能性もあります。また、同じく投資先である森林の所有・管理を行う企業は、文字通り「森林」というかけがえのない資産を所有しています。こうした側面から、当ファンドの投資先である森林・木材関連企業の株式への投資は、AIや技術革新によっても陳腐化しにくい「実物資産」への投資ともいえます。
堅調な米製造業の景況感や、需給改善などを背景に、森林・木材関連企業の業績動向は底打ちが期待され、利益成長予想も上方修正されつつあるなど、転換点を迎えている可能性もあると考えられます。また、足元の低バリュエーション水準も株価の下支えとなるでしょう。
中長期的な資産運用を考えた場合、当ファンドはハイテク銘柄偏重のポートフォリオに対する分散投資先の1つとなる可能性もあると考えられます。
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