iTrust 世界株式|グローバル株式市場の現状~引き続き、株式市場に対するポジティブな見方~
●2026年6月のグローバル株式市場は前月末比で小幅な動き。ただし、セクター間、地域間に格差
●市場ダイナミクスの変化には警戒しつつも、原油価格の下落による経済成長見通しの改善などが株式市場の上昇を後押しすると期待
前月末比で小幅な動き、ただしセクター間、地域間で格差もみられた
6月のグローバル式市場は、前月末比で小幅な動きにとどまりましたが、そのなかではセクター間、地域間で格差がみられました。
セクター別では、エネルギーは、原油安を背景に下落しました。また、情報技術も下落しました。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手テクノロジー7社の時価総額は、前月末比で約2兆3,000億米ドル減少しました。AI(人工知能)関連の設備投資拡大の持続可能性への懸念から、投資家が売りに動いたことなどが響きました。ただし、情報技術のなかでも、半導体銘柄については引き続き旺盛な需要が見込まれることなどを背景に、堅調な株価推移となりました。
一方、金融は金利上昇期待や収益動向の改善、活発な資本市場活動などを背景に、上昇しました。
地域別では、ユーロ圏の株式市場が堅調でした。半導体への旺盛な需要を背景に、ASMLホールディング、STマイクロエレクトロニクス、インフィニオン・テクノロジーズといった半導体・半導体製造装置企業の株価上昇や経済見通しの明るさなどが後押しとなりました。日本の株式市場も上昇しました。財政出動と国内需要の改善が経済見通しを支えています。
一方、米国の株式市場は下落しました。
※すべて米ドル、配当込みベース
グローバル株式市場の見通し ~市場ダイナミクスの変化には警戒しつつも、当面は上昇が継続するとの見方を維持~
株式市場は、米国とイスラエルによるイランに対する軍事攻撃を背景とした下落局面から、力強く回復を続けています。堅調な経済成長、好調な企業業績、そしてAIがもたらす生産性向上への期待が、ここ数週間の株価上昇を後押ししています。
それでも、フィラデルフィア半導体株指数は、2026年4-6月の3ヵ月間で80%近い上昇率を記録していることなどから、投資家の利益確定の動きもみられています。しかし、株式市場における上昇トレンドがすぐに反転する可能性は低いとみています。
米国とイスラエルによるイランに対する軍事攻撃の開始以来、市場を悩ませていたスタグフレーションのリスクは後退しています。米国とイランが和平合意に向けて前進し、それに伴って原油価格は下落しています。これにより、経済成長に対する市場予想は上向き、インフレ予想は低下に向かうとみられます。このことは、株式市場を後押しする好材料になると考えられます。
歴史的な観点からも、株式にはさらなる上昇余地があることが示唆されます。世界的に利上げが始まっていますが、過去の経験では、特に金融引き締めが成長改善への対応である場合、株式にとってプラスに働くことが多いとされています。1987年以降の米国における5回の金融引き締めサイクルのいずれにおいても、最初の利上げから12ヵ月間で米国株式はプラスのリターンをあげています。
もっとも、近い将来に市場ダイナミクスが変化する可能性を無視しているわけではありません。中央銀行による金融引き締めは、いずれ借入コストの上昇に敏感なセクターに重くのしかかってくるでしょう。さらに、株式市場の上昇は一握りの大手テクノロジー企業に集中していることも警戒されます。現時点では、こうした可能性を警戒しつつも、当面は上昇基調が継続するとの見方には変わりがありません。
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