iTrust 世界株式|グローバル株式市場の現状~堅調な企業利益の成長が株式市場をさらなる高みへ~
●2026年8月のグローバル株式市場は、原油価格の上昇や長期金利の上昇などが重荷となりながらも、良好な企業決算を受けて月間では上昇
●当面、AIをはじめとする新技術の普及拡大などを背景とした堅調な企業の利益成長が、株式市場の上昇を支えると予想される
良好な企業決算の発表を受けて上昇
8月の世界の株式市場は、月後半に中東情勢の緊迫化などを受けた原油価格の上昇や長期金利の上昇が重荷となりましたが、月を通してはテクノロジー関連銘柄を中心に良好な企業決算が発表されたことなどが下支えとなり、上昇しました。
セクター別では、資源価格の上昇などが追い風となった素材セクターや、AI(人工知能)の成長期待を背景とした情報技術セクターなどの上昇率が相対的に大きくなりました。一方、公益事業セクターや不動産セクターは長期金利の上昇が逆風となりました。
※すべて米ドル、配当込みベース
グローバル株式市場の見通し|堅調な企業利益の成長が株式市場をさらなる高みへ
足元で長期金利が上昇するなか、企業の借入コストの増加や将来の企業利益の現在価値の低下といった懸念が株価の重荷になるとの見方もありますが、直近四半期決算では、総じて企業の利益成長が堅調であることが示されています。こうした健全な業績動向が、当面、グローバル株式市場を押し上げる原動力になるとみられます。
AIをはじめとする新技術の普及拡大もあり、企業利益は2026年(暦年)には前年比30%超の高い成長率が予想されています。
また、総じて堅調なマクロ経済環境も株式市場の上昇を下支えるとみられます。
債券利回りの上昇は、インフレ圧力の高まりや根強い財政赤字を一因としていますが、一方で債券市場が底堅い経済成長を織り込んでいることも事実です。実際、歴史が示すように、債券利回りの上昇が必ずしも株式市場の下落と結びつくわけではありません。重要なのは、利回りが上昇している理由です。1994年と2013年のように、経済が好調な時期に債券が売られた局面では、株式市場は下落しませんでした。
現在も同様の環境が形成されつつあります。景気サイクル指標をみると、中国の個人消費の悪化を除けば、世界のマクロ経済環境は比較的良好な状態を維持しています。例えば、欧州経済は、イラン紛争勃発当初に多くの人が想定していたよりも好調に推移しています。個人消費と企業投資はともに増加しており、インフレ圧力も和らいでいます。
米国では個人消費の伸びが足元で長期平均の伸び率を下回る水準へとやや鈍化していますが、設備投資の増加が個人消費の減速を補っています。中国を除く新興国全般については、商品価格の上昇や輸出の力強い成長、比較的低い金利の恩恵を受けて概ね堅調です。
セクター別では、半導体関連銘柄の活況はピークを過ぎたとしても、AI関連銘柄の利益モメンタムは依然として強いとみられることから、情報技術セクターについては引き続き注目しています。資本財・サービスセクターについても、AI関連設備投資ブームとそれを支えるインフラ拡大などから引き続き恩恵を受けるとみられます。また、金融セクターについては、堅調な経済成長と金利上昇の恩恵を受けるとみられることから、底堅い収益動向が予想されます。
一方、最近の債券利回りの急上昇と利上げの可能性は、公益事業セクターにとって逆風です。同セクターはディフェンシブな特性を持ちますが、長期利回りの上昇により、債券の代替資産としての位置づけや安定した配当の魅力が薄れています。また、経済成長が個人消費よりも企業や政府の投資によってけん引されていることなどから、消費関連セクターについては引き続き相対的に低調な推移が続く可能性があるとみています。
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