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- 中間選挙に向けトランプ大統領に焦り?
11月3日の中間選挙まであと2ヶ月になった。各種世論調査を見る限り、ドナルド・トランプ大統領の与党、共和党は苦戦を強いられ、連邦下院のみならず、上院でも過半数割れの可能性が台頭している。急に激化したカナダとの新たな貿易戦争は、トランプ大統領の焦りの表れではないか。共和党に逆転のチャンスがあるとすれば、豊富な資金量を活用したネガティブキャンペーンだろう。
■ 大統領が懸念するバンドワゴン効果
8月24日正午過ぎ(日本時間25日未明)、トランプ大統領はトゥルース・ソーシャルへ投稿、最近の世論調査を「虚偽」による民主党の「士気喪失作戦」と批判した上で、「実際の世論調査」の結果は「非常に素晴らしい」と断定した。ただし、どの調査が「虚偽」で、どの調査が「実際の調査」なのかは例によって明らかにしていない。
一方、リアルクリアポリティクスの集計では、2期目の就任から586日目となった28日、トランプ大統領の仕事ぶりを「認める」と回答した有権者は39.9%に止まり、同時期におけるジョー・バイデン前大統領の41.8%を下回った(図表1)。トランプ大統領にとって、4割と言われる岩盤支持層は健在だが、無党派への支持は拡がっていない。
また、エコノミスト誌の予測モデルによると、全435議席が改選される連邦下院で、民主党は223選挙区でリード、194選挙区に止まる共和党を引き離しつつある(図表2)。同モデルでは、今、選挙が行われた場合、民主党236議席に対して、共和党は199議席に止まる見込みだ。
さらに、共和党の過半数維持が固いと見られていた上院でも、現時点でのエコノミスト誌の予測だと、民主党は無所属を含めて51議席、共和党は49議席との結果になった。激戦とされるテキサス、アラスカ、オハイオ、ミシガン4州のうち、ミシガンを除く3州には共和党の現職がいるが、当選確率は民主党候補とほぼ互角になっている(図表3)。
なお、テキサス州は、1992年の総選挙以降、12回の連邦上院議員選挙で共和党は負けたことがない。その州が接戦になっていることこそ、中間選挙に関するトランプ政権の苦境を示している。
トランプ大統領は、ある選択肢を多数が選択していると認識された場合、さらに多数がその選択肢を選ぶ「バンドワゴン効果」を恐れているのだろう。従って、世論調査を「虚偽」としたのではないか。
■ 依然健在なトランプ陣営の資金力
SNSへの投稿だけでなく、北朝鮮の金正恩労働党総書記との会談模索や、カナダとの貿易戦争など、トランプ大統領は様々な手を打っているが、どれも目に見える効果は乏しい。もっとも、資金力は依然健在だ。有力政治メディアのポリティコによると、6月末現在、共和党の3委員会、即ち全国委員会、上院委員会、下院委員会の保有するキャッシュは2億7,800万ドル、民主党3委員会の債務控除ベースでの2.4倍に達していた(図表4)。
さらに、スーパーPACを見ると、トランプ大統領の支持勢力であるMAGA Inc.の4億100万ドルを含め、共和党系有力3委員会で7億8,200万ドルを保有している。これは、民主党系有力2委員会の3億ドルを大きく上回る額に他ならない。
スーパーPACは、2010年の連邦最高裁判決を受け、設立が認められた政治資金団体だ。特定候補者の公式な選挙運動への寄付、候補者と連携した活動を禁じられる一方、候補者を支持、または反対するため、独立に資金を提供することが可能とされた。そのため、しばしばネガティブキャンペーンに活用されている。非課税の公益団体を通じた資金提供は献金者の開示が義務付けられておらず、外国からの献金も実質的に可能であることから、「ダーク・マネー」とも呼ばれている。
選挙終盤でのTVコマーシャル攻勢など、資金力による影響は無視できない。大口献金者の多い共和党陣営が、このアドバンテージをどのように使うのか、そしてそれがどのような効果を生むのか、選挙戦終盤の焦点の1つになるのではないか。
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