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- 金は大きな調整を乗り越えて上昇してきた
・短期的な価格変動に惑わされず、戦略的資産としての金の価値を見直す局面
金は大きな下落を繰り返しながら中長期的に上昇トレンドを維持してきた
金価格は2026年2月末以降、大きく調整しました。足元では底堅い値動きとなっていますが、最高値からの下落幅は1,200米ドル/トロイオンス超(週次)と過去最大の水準となっています。このため、金価格が今後も上昇トレンドを維持できるのか懸念する声も聞かれます。
しかし、金は同規模の変動を繰り返しながら上昇トレンドを辿ってきました。下図は金価格の推移を対数スケールで示したものです。対数チャートでは価格変動を値幅ではなく「変化率」で表すため、異なる局面の値動きをより公平に比較することができます。今回の調整局面の下落幅は大きくなりましたが、変化率の観点からは過去に繰り返し見られた変動の延長線上に位置づけることができます。このため、現時点では今回の下落が金の中長期的な上昇トレンドの終了を示すものではないと考えられます。
※金価格:ロンドン市場金価格。※期間中の最高値とその後の最安値までの下落率が-10%を超えた期間と下落幅(米ドル/トロイオンス)または下落率をグラフ中に表記。各期間については以下の通り。括弧内に下落幅(米ドル/トロイオンス)と下落率を併記。何れも米ドルベース、週次。
2003年2月7日~2003年4月4日(-49、-13.2%)、2004年1月9日~2004年5月14日(-47、-11.1%)、2006年5月12日~2006年10月6日(-164、-22.7%)、2008年3月14日~2008年10月24日(-291、-29.0%)、2009年12月4日~2010年2月5日(-132、-11.1%)、2011年9月2日~2015年11月27日(-818、-43.6%)、2020年8月7日~2022年10月21日(-388、-19.1%)、2026年2月27日~2026年7月17日(-1,227、-23.5%)
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
調整局面で金との向き合い方を改めて考える
金は値上がりが期待される資産としてだけでなく、希少な実物資産であることを背景としたインフレヘッジの手段としての役割や、株式や債券などの資産と組合わせた場合の分散投資効果、信用リスクのない無国籍通貨注としての特性を持ちます。そのため、金は中長期的に資産ポートフォリオの価値を保全するために戦略的に保有すべき資産だといえます。
足元の金価格の調整は、短期的に高まっていた金に対する過熱感が和らぐ過程と捉えることもできます。こうした局面では、短期的な価格変動に一喜一憂するのではなく、資産ポートフォリオ全体の中でどのような役割を担う資産であるのかという観点から、金の位置づけを改めて見直すことが重要であると考えられます。
注:金は国によって強制通用力が認められている法定通貨ではありません。
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