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グローバル・マクロ・ウィークリー・レポート(2026年6月第5週~7月第1週)
2026/07/07

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概要

ピクテ・アセット・マネジメント マクロ・リサーチ・チームが、世界の主要国における最新のマクロ経済動向を解説いたします。



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米国

6月のISM製造業景況感指数は市場予想以上に低下しました。価格指数の大幅な下落が主因となった一方、実質的な活動は拡大基調を維持しました。総合指数は53.3(前月比-0.7ポイント)となり、支払価格指数の大幅な下落(73、同-9.1ポイント)が主な押し下げ要因となりました。雇用は改善が続き、中立ライン付近の49.7(同+1.1ポイント)まで上昇しました。新規受注は若干軟化したものの、拡大圏の56.0を維持し、底堅い推移が続いています。全体として、当指数の鈍化は、地域調査の弱い結果と整合的であり、供給サイドのインフレがピークアウトしたことを示唆するとともに、製造業の活動は回復軌道を維持するとみられます。

6月の雇用統計は総じて市場予想を下回る内容となり、労働市場の継続的な悪化を示しました。非農業部門雇用者数(NFP)の伸びは大幅に鈍化し、+5万7,000人にとどまりました(5月は17.2万人から12.9万人に下方修正)。雇用の伸びの鈍化は主に民間部門および製造業に起因しています。一方、失業率は市場予想に反して4.2%(前月比-0.1ポイント)に低下したものの、横ばい圏での推移が続いており、今回の低下は主に労働参加率の低下(61.5%、同-0.3ポイント)によるものです。労働参加率は明確な低下傾向にあります。U-6不完全雇用率も小幅に低下しましたが、7.9%と依然として高水準にあります。賃金上昇率については、平均時給が前年比+3.5%(同+0.1ポイント)と、市場予想通りとなり、概ね安定した推移を示していますが、2022年のピーク(約6%)からは明確な低下トレンドをたどっています。総じて、今回の雇用統計は弱い内容となり、労働市場の悪化を示唆しています。これにより、最近の連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的なスタンスが和らぎ、市場の利上げ期待が後退する可能性があります。全体として、今回の結果は、今後1年間のFF金利据え置きという当社の基本シナリオをさらに裏付ける内容となっています。

ユーロ圏

6月の総合CPI(消費者物価指数)は前月比-0.1%と、3月の+0.7%、4月の+0.6%から低下し、前年比では2.8%と市場予想を下回りました。コアインフレ率は前年比2.4%と予想を下回り鈍化しました。前月比では+0.1%と長期平均並みの伸びとなり(4月の+0.3%、5月の+0.4%から低下)、コアCPIインフレの勢いは前期比年率2.8%に上昇しており、エネルギー価格の上昇が基調的な物価圧力に一部波及していることを示唆しています。

-  財価格は前年比+0.9%で安定しました。企業は原油・ガス価格の上昇による新たなコスト圧力に直面しており、内需が底堅く推移すれば、エネルギー関連コストの上昇分が最終価格に転嫁される可能性があります。サービス部門のインフレ率は3.2%に低下しましたが、賃金上昇に支えられつつも鈍化傾向にあり、月次CPIへの寄与度は52%となりました。サービスインフレの勢いは前期比年率3.5%で安定しています。食品インフレ率は前年比+1.6%に鈍化し、エネルギー価格(前年比+8.7%)の月次CPIへの寄与度は29%となりました。エネルギー価格の実体経済への波及は、下落局面においてより迅速に進んでいます。

-   国別では、ドイツのCPIが2.4%に低下し、フランスは1.8%、イタリアは3.1%、スペインは3.2%で横ばいとなりました。

-   物価圧力は製造業およびと労働集約型サービス業の双方で緩和しつつあり、主に投入コストの低下が要因です。両セクターともに、投入価格は販売価格よりも速いペースで低下しています。この傾向は、企業がコスト低下分を顧客に段階的にしか販売価格へ反映していないことを示しており、利益回復を図っていることが示唆されます。特にサービス業では需要が底堅く、価格調整余地が拡大しています。企業はコスト低下分の全てを価格引き下げに充てるのではなく、一部を利益率の維持・回復や価格決定力の強化に活用する可能性があります。このため、原油などの投入コストが低下しても、価格上昇圧力が持続する可能性があります。販売価格の見通しは全セクターで低下を続けているものの、依然として長期平均を大幅に上回る水準にあります。今後12ヵ月の消費者物価見通しは大幅に低下しました。

-   中期的なインフレ期待は欧州中央銀行(ECB)の目標付近で安定しており、2026年4-6月期のECB専門家予測調査(SPF)では。5年先のインフレ期待は2%で据え置かれた一方、1年先は1.9%から2.1%へ上昇しました。6月の5年/5年インフレスワップ金利は2.1%と小幅に低下しました。Indeed賃金トラッカーは5月に前年比+3%へ加速し、3ヵ月移動平均では2.4%となっています。労働需要の減速により賃金の急上昇は抑制され、サービスインフレの低下に寄与するとみられます。5月の失業率は過去最低水準の6.2%と横ばいで推移しています。

-   2026年のインフレ率は平均2.7%と予想され、5月に3.2%でピークを付けた後、2027年3月に停戦が維持されることを前提としたベース効果により急低下し、目標水準に収れんすると見込まれます。それまでの期間は概ね2.8%前後で推移する見通しです。コアインフレ率は2026年平均で2.4%、5月に2.6%でピークに達すると予想しています。

-   5月の小売売上高は前月比+0.2%と市場予想を下回りました(前月は-0.3%から上方修正)。モメンタムは改善しており、前期比年率+1.8%(2026年1-3月期の+0.8%から加速)、繰越効果は年率0.9%となっています。小売売上高は前年比+1.6%と長期平均(1.1%)を上回りました。


2026年4-6月期の個人消費は主に財消費(前期比+0.9%)に牽引され回復が継続した一方、サービス消費の伸びは前期比+0.3%と緩やかにとどまりました。ただし、総消費は依然としてトレンドを7%下回り、財はトレンド比-8%、サービスは同-6%といずれも下振れしています。

消費者センチメントには安定化の兆しがみられます。欧州委員会の消費者信頼感指数は6月に-17.7へ改善し、4ヵ月ぶりの上昇となりました。ただし、中東情勢を背景とした消費の弱さを反映し、依然として2023年1月以来の低水準付近にあります。米国とイランの停戦合意を受け、ブレント原油価格が紛争前の水準へ戻ったことで、エネルギー価格上昇による実質所得への圧迫は緩和しています。

家計貯蓄率は14.4%(2025年10-12月期)と長期平均の13%を上回る高水準を維持しており、将来の消費の下支え要因となっています。ECBは年内に追加で25bpの利上げを実施し、預金ファシリティ金利を2.25%から2.5%へ引き上げると見込まれます。ただし、実質金利はマイナス圏にとどまる見込みであり、不確実性の低下とあいまって予備的貯蓄の抑制を通じ、消費の正常化が加速する可能性があります。

ドイツでは、5月の工場受注が前月比+1.9%(前月は-3.2%から上方修正)と予想以上を上回り、資本財(前月比+2.2%)が主導しました。国内受注は+1.3%、海外需要はユーロ圏向け(前月比+2.2%)に牽引されて増加しました。モメンタムは改善しているものの、前期比年率-1.2%(2026年1-3月期は+15.8%)と依然弱く、トレンドを11.2%下回っています。

日本

5月の鉱工業生産は前月比+0.5%と堅調さを維持しました。一方、前年比伸び率は1.2%と上昇トレンドを維持しつつもやや鈍化しました。今月の改善は製造業活動の強化が主因であり、拡張圏を維持するPMIの上昇トレンドとも整合的な内容です。さらに、セクター回復の追加的なシグナルとして、出荷・在庫比率が84.8%まで上昇し、堅調な上昇基調を維持しています。

このような堅調な鉱工業生産は、2026年4-6月期の日銀短観調査の強い結果によっても裏付けられており、企業部門のモメンタムの強まりに加え、物価圧力の高まりも示唆されます。輸出データにも反映されている通り、企業部門の拡大は電子機器、特にAI関連需要の増加に支えられており、一部で見られる自動車セクターの低迷を相殺しています。

中国

6月のPMIデータは、政府系調査が小幅な改善を示した一方、民間調査ではより強い結果となりました。

国家統計局(NBS)の製造業PMIは、5月の50.0から6月は50.3へと上昇し、市場予想(50.1)を上回るとともに、3ヵ月連続で拡大を記録しました。この改善は、生産の増加(51.2から51.4へ)および新規受注の拡大への回帰(49.9から51.2)に牽引されたものであり、新規輸出受注も再び50の節目を上回りました(48.6から50.1)。一方、雇用は引き続き弱く(48.6から48.4へ)、労働需要の低迷が継続していることが示されました。価格面では、投入コストのインフレ圧力は緩和されたものの依然として高水準にあり(60.5から54.2へ)、一方で販売価格は再び縮小圏に低下しました(51.9から48.2へ)。これは、景気活動が持ち直しているにもかかわらず、企業の価格決定力が限定的であることを示唆しています。

非製造業の活動も小幅に改善し、NBSの非製造業PMIは50.1から50.2へと上昇し、49.9への低下という市場予想に反する結果となりました。サービス業の活動は50.4へと小幅に上昇し、通信、インターネットソフトウェア、ITサービス、金融・保険分野での活動拡大が支えとなりました。一方、航空輸送および不動産は引き続き50を下回りました。建設業の活動は改善したものの、48.8から49.0へと依然として縮小圏にとどまりました。新規受注は依然弱いながらも大幅に改善し、45.0から48.0へ上昇しました。建設(46.3、+2.8ポイント)およびサービス(48.4、+3.1ポイント)の双方で改善が見られました。価格圧力は緩和し、投入価格は52.2から49.7へ低下する一方、販売価格は48.4と引き続き縮小圏にとどまりました。

NBSの総合PMI生産指数は50.5から50.6へと小幅に上昇し、12月以来の最高水準となるとともに、4ヵ月連続で拡大しました。総じて、公式調査は、製造業の底堅さや外需に連動した一部ハイテク分野の強さに支えられ、景気が安定しつつあることを示唆しています。一方で、内需、不動産、雇用関連指標は依然として軟調です。

これに対し、民間調査機関RatingDogによる PMIは、より強い景気の実態を示しました。RatingDogの製造業PMIは51.8から51.7へと小幅に低下したものの、市場予想(51.6)および長期平均(50.8)を上回る水準を維持しました。

さらに、RatingDogのサービス業PMIは54.4から54.1へと小幅に低下したものの、市場予想(53.0)を大幅に上回り、サービス業の力強いモメンタムの継続を示唆しました。

総合すると、RatingDogの総合PMIは54.0から53.6へ低下したものの、過去3年間で最も高い水準の一つにとどまりました。今回のデータは、不均一ながらも改善が進む景気循環を示しています。政府系調査では拡大が限定的であり、雇用や一部の内需関連セクターでの弱さが続いている一方、民間調査は需要モメンタムの強まり、雇用環境の改善、出荷価格の持ち直しを示唆しています。


 



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