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グローバル・マクロ・ウィークリー・レポート(2026年7月第2週)
2026/07/14

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概要

ピクテ・アセット・マネジメント マクロ・リサーチ・チームが、世界の主要国における最新のマクロ経済動向を解説いたします。



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■中央銀行

主要中央銀行シナリオの変更点

・日本銀行(日銀)については、国内インフレ圧力の高まりおよび労働市場に起因する二次的影響(セカンドラウンド効果)のリスクを背景に、10月に25bpの利上げを実施し、翌日物金利の誘導目標を1.25%へ引き上げると予想しています。

・スイス国立銀行(SNB)については、金融引き締めの開始時期が従来予想の2027年3月から同年6月へ後ずれし、2027年通年の利上げ幅も25bpにとどまると予想しています。これは、市場の織り込みと整合的です。

変更なしのシナリオ

・米連邦準公開市場委員会(FOMC)については、市場が約40bpの利上げを織り込んでいるのとは対照的に、今後1年間、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを3.50〜3.75%で据え置くと予想しています。

・欧州中央銀行(ECB)については、サービスインフレの高止まりおよび二次的な価格波及効果の抑制を目的として、9月に25bpの追加利上げを実施し、政策金利を2.50%へ引き上げると予想しています。これは市場の織り込み(80%)に近い水準です。

・イングランド銀行(BoE)については、第4四半期(最も可能性が高いのは11月)に最終的に25bpの利上げを実施し、政策金利を4.0%へ引き上げると予想しています。これは現行の市場織り込みと整合的です。

■米国

6月の中古住宅販売件数は市場予想を下回り、前月比で減少しました。これは住宅市場の低迷を示す追加的な証左であり、住宅着工件数および建築許可件数が低調に推移している既報データとも整合的です。こうした動きは、借入コストの高止まりを主因とする住宅取得能力の低下を反映しています。6月の住宅部門における先行指標(コンポジット)は大幅に悪化しており、今後の住宅投資の減速継続を示唆しています。

6月のISM非製造業景況感指数は市場予想に概ね沿って小幅に低下したものの、引き続き拡大圏を維持しています。好材料としては、低下の主因が価格指数であったことから、供給サイドのインフレ圧力の緩和が示唆されます。実体経済の観点では、新規受注はやや鈍化しつつも拡大圏を維持しており、雇用指数は一段と改善し、50の節目を再び上回りました。総じて、本調査は潜在成長率を下回りつつも底堅いGDP(国内総生産)成長が継続するとの当社の基本シナリオと整合的です。


■ユーロ圏

5月の小売売上高は前月の落ち込みから反発し、前年比伸び率も予想通り1.6%へ改善しました。ただし、数量ベースでは依然として長期トレンドを下回る水準にとどまっています。先行きについては、高水準の家計貯蓄、逼迫した労働市場、実質賃金の上昇が相まって、今後数四半期にわたり個人消費の顕著な回復を下支えると見込まれます。これに加え設備投資の拡大も相まって、GDP成長の主な牽引役となる見通しです。

■日本

5月の賃金上昇率は前月からやや鈍化したものの、前年比3.2%(4月:同3.6%)と依然として高水準を維持しており、物価安定と整合的な水準を上回っています。業種別では、建設業の伸びが最も高いもののやや減速(前年比5.2%、前月5.5%)、次いで卸売・小売業では賃金上昇が大幅に加速(前年比4.6%、前月2.7%)、一方で製造業では伸びが鈍化(前年比3.8%、前月4.9%)しています。実質ベースでは、全業種で1.7%の伸びと堅調に推移しており、今後はインフレ率の安定化も見込まれる中、高水準の賃金上昇が持続すると予想されます。こうした環境を踏まえると、日本銀行は引き締めバイアスを維持し、二次的な物価波及効果および円安進行のリスクを抑制する観点から、年内に追加利上げを実施する可能性があります。

スイス

スイス国立銀行(SNB)の外貨準備高は、2026年6月に2014年以来最大の月間増加を記録しました。これは市場評価の評価益による押し上げ効果に加え、イラン紛争期における外国為替市場への介入の可能性も示唆しています。外貨準備高は単月で479億スイスフラン増加し、7,587.9億スイスフランに達し、GDP比で約87%に迫る水準となっています。また、SNBにおける銀行の要求払預金が大幅に増加(6月に+105億5,000万スイスフラン)している点とも整合的であり、これは為替介入の有力な代理指標とされます。イランと米国を巡る地政学的緊張の緩和期待を受けて、スイスフランは足元で安定的に推移していることから、今後の為替介入は限定的にとどまると見られます。もっとも、「スイスフランの急速かつ過度な上昇が物価安定を損なう」局面では介入を辞さない姿勢は維持されており、SNBの金融政策手段のひとつであり続けるでしょう。

■ニュージーランド

ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は7月、事前のガイダンスおよび市場予想通り、政策金利(OCR)を25bp引き上げ2.50%としました。これは昨年末の利下げサイクル終了後、初の正常化局面における利上げとなります。声明では利上げペースに関する具体的な時間軸への言及は限定的であったものの、「インフレ率が依然として目標を上回り、経済活動の回復が見込まれる中、インフレ率を目標(2%)に回帰させるためには追加的な金融緩和の縮小が必要になる可能性が高い」とし、引き続き正常化バイアスを示しました。

前回会合(賛否3対3)と異なり、今回会合では委員会内で利上げに関するコンセンサスが形成され、中期的なインフレ目標回帰に向けて金融緩和の縮小プロセスを開始する判断となりました。前回会合以降、為替を中心とする金融環境は年初の引き締まりから一転して緩和方向に推移しており、今回の利上げには過度な金融環境の緩和を抑制する狙いも含まれます。同時に、高止まりするインフレ期待、中東情勢の緩和を背景とした景況感の改善に伴う2026年7-9月期の成長回復見通し(2026年1-3月期のGDP成長率0.8%は5月見通しを上回る)、さらに需要回復局面における企業のマージン再構築(コストの価格転嫁)の可能性などが、緩やかな引き締め継続を正当化しています。一方で、中東情勢の緩和に伴う原油価格の下落を受けて短期的なインフレ見通しは下方修正されており、総合インフレ率は2026年4-6月期に前年比3.9%でピークを付けた後、2026年7-9月期には3.3%へ低下すると見込まれます。下方修正の背景には、エネルギー価格の直接的な押し下げ効果に加え、他の消費者物価への波及効果の鈍化も含まれます。

先行きについては、中東情勢の再悪化および原油価格の再上昇がないとの前提のもと、RBNZは2026年10-12月期に25bp刻みで段階的な利上げを継続すると予想しています。最終到達金利は、国内需要の回復度合いと、総合インフレおよび非貿易財インフレの持続的な低下パスとのバランスに依存する見通しです。

■カナダ

6月の雇用者数は先月比+1.82万と、5月の大幅増(+8.78万人)に続き増加し、年初に見られた労働市場の軟化後の安定化を示唆する内容となりました。失業率は6.6%から6.5%へ低下し、1月以来の低水準に並ぶとともに、4月対比では0.4ポイントの改善となりました。

もっとも、雇用の質には留意が必要です。増加の大半はパートタイム雇用(+1.75万人)によるもので、フルタイム雇用はほぼ横ばい(+0.06万人)にとどまりました。セクター別では、財生産部門で4.37万人の雇用減少(製造業、建設業中心)が見られた一方、サービス部門では+6.18万人と大幅な増加となりました。

フルタイム雇用者の賃金上昇率は前年比3.7%と、5月の3.2%から加速したものの、トレンドとしては概ね横ばいで推移しています。総じて、雇用環境は底堅さを示す内容ではあるものの、カナダ銀行(BoC)が引き締めスタンスを強化するには十分な強さではなく、当面は政策金利据え置きが継続する見込みです。

■中国

6月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.0%と、市場予想を下回り、5月の1.2%から低下しました。コアインフレも同様に1.0%へ鈍化しました。主因は財価格の下押し(前年比+1.1%)であり、サービスインフレは0.8%と概ね安定的に推移しています。内訳では、食品価格が引き続き低下(前年比△1.6%)したほか、食品を除くコアインフレも前年比1.5%(5月:1.9%)へ鈍化しました。これらを踏まえ、CPI見通しは下方修正されました。2026年平均は前年比1.2%(従来1.4%)、2027年平均は1.9%(従来2.0%)とし、ピークも2027年1月の2.2%(従来2.6%)へと引き下げられました。

外貨準備高は6月末時点で3.416兆米ドルと、5月の3,442兆米ドルおよび市場予想(3.444兆米ドル)を下回りました。減少は主に、米ドル高(+2.3%)に伴う評価損によるものです。一方、中国人民銀行は金準備を20ヵ月連続で積み増し、保有量は7,544万トロイオンス(5月:7,496トロイオンス)へ増加しました。為替評価要因は、引き続き外貨準備高の月次変動を大きく左右する可能性があります。

自動車セクターでは、6月の販売台数は前年比△3.2%の281万台となり、5月(△2.1%)から減少幅が拡大し、需要の弱さが確認されています。一方で、新エネルギー車(NEV)は前年比+23.6%の164.3万台と急増し(5月:+14.4%)、全体に占めるシェアは58.5%まで上昇しました。

総じて、PMI等の指標と併せて判断すると、中国経済は依然として不均一な回復局面にあります。対外バランスは堅調を維持し、ハイテク・グリーンセクターは相対的に好調である一方、内需は選別的な回復にとどまり、広範な改善には至っていません。




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