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- 2026年4月のバイオ医薬品市場
■バイオ医薬品関連企業の株価動向
4月のナスダック・バイオテクノロジー指数(ドルベース、配当含まず)は下落しました。
世界の株式市場は、月初に米国とイランが停戦合意に達したことで投資家の過度な不安が和らいだことに加え、AI(人工知能)関連企業を中心に好調な企業決算や今後の成長への期待が高まったことなどから、大幅な上昇となりました。このような中、バイオ医薬品株式も上昇しましたが、上昇率は市場全体を下回りました。ギリアド・サイエンシズ(米国)によるチュブリス(ドイツ)の買収など、M&A(合併・買収)の動きが活性化していることがバイオ医薬品株式の上昇に寄与しました。またレボリューション・メディシンズ(米国)が活性化KRAS阻害薬について有望な治験結果を発表するなど、医薬品開発の進展もバイオ医薬品株式の株価を下支えしました。
株価が上昇した銘柄としては、ヴィアトリス(米国)、インサイト(米国)、ジャズ・ファーマシューティカルズ(米国)などが挙げられます。ヴィアトリスは、株式市場が全体的に反発する中で、高キャッシュフローである点が見直され、株価が上昇しました。インサイトは、市場予想を上回る好調な2026年1-3月期決算を発表したことなどを背景に、株価が上昇しました。ジャズ・ファーマシューティカルズは、睡眠障害薬やがん治療薬の成長期待などから株価が上昇しました。
株価が下落した銘柄としては、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)、ギリアド・サイエンシズ(米国)、バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)などが挙げられます。リジェネロン・ファーマシューティカルズは、月末に市場予想を上回る良好な四半期決算を発表したものの、加齢黄斑変性治療薬アイリーア関連のリスクなどが意識され、株価が軟調な動きとなりました。ギリアド・サイエンシズは、5月上旬に決算発表を控える中、チュブリスなどの買収やがん領域への積極投資が利益を圧迫する可能性が意識され、軟調な推移となりました。バーテックス・ファーマシューティカルズは、5月上旬の決算発表を前に、利益確定の売りが優勢となったことなどから、株価が低調な推移となったと見られます。
■今後のバイオ医薬品市場見通し
バイオ医薬品株式市場では、かつては収益性の欠如が逆風となっていましたが、新薬を上市した中型のバイオ医薬品企業が高成長・高収益性を示し、セクター全体の利益水準の大幅な改善に貢献しています。この背景には、バイオ医薬品企業から良好な治験結果の発表が続いていることや、米食品医薬品局(FDA)による新薬承認件数が過去数年と同程度の高水準で推移していることなどがあり、景気動向に左右されることなく画期的な新薬が開発されていることが挙げられます。さらにAI(人工知能)が、創薬の最適化、開発、臨床試験、患者層別化、規制プロセスといった領域で大きな効果をもたらし、最終的には、個別化医療に向けた大きな一歩となるとみています。加えて、2025年に回復したバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)についても、大手の医薬品企業や大手のバイオ医薬品企業が大型治療薬の特許問題に直面し、パイプラインの強化が求められていることもあり、2026年も増加傾向が続くと期待されます。
バリュエーション(投資価値評価)面では、バイオ医薬品セクターは、他のセクターと比較して割高感はなく、AI・テクノロジー関連からの分散を図る中で、イノベーション銘柄の一角として注目を集める可能性があると考えます。なお、地政学リスクの動向、金利水準やマクロ環境の変動に伴い、バイオ医薬品株式はボラティリティが高まりやすい点には引き続き留意が必要です。また、薬価を巡る政策議論は今後も断続的に続くとみられるものの、過去10年と同様に、真に付加価値の高い治療薬への影響は限定的とみています。
■バイオ医薬品関連企業の売上高は新薬承認後の業績寄与などにより相対的に高い伸びに
バイオ医薬品関連企業の売上高は、堅調に成長してきました。(図表6参照)バイオ医薬品関連企業については、引き続き多くの有望な治療薬候補を有しており、新薬承認後の業績寄与が期待されていることから、今後3年間で年率+15.1%の相対的に高い売上高の伸びが予想されています。(図表7参照)
■売上高の伸びに沿って株価も上昇
過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表8参照)
■バリュエーション
バイオ医薬品企業の業績が景気動向に左右されにくい特性などが注目されて2021年夏頃までは株価が上昇し、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)の水準も上昇していましたが、2021年秋以降は新薬承認申請に対するFDAの予想外の決定などがマイナス要因となったことに加え、2022年半ばにかけてナスダック市場の下落が大きくなる中、ナスダック・バイオテクノロジー指数も下落したことからPSRも低下し、その後、低水準で推移してきました。ただし、2025年秋以降はバイオ医薬品株式の上昇を受けて、PSRも上昇しています。(図表9参照)
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