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- 2026年6月のバイオ医薬品市場
■バイオ医薬品関連企業の株価動向
6月のナスダック・バイオテクノロジー指数(ドルベース、配当含まず)は、大きく上昇しました。
世界の株式市場は、米国とイランの停戦合意を好感する局面があったものの、AI(人工知能)関連銘柄に利益確定の動きが強まったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策に対する見方が分かれたことなどから、月間では小幅な下落となりました。このような中、バイオ医薬品株式は、多くの銘柄が堅調な株価推移となりました。中小型グロース株が注目されたことに加え、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)の活発化などが、バイオ医薬品株式の上昇要因となりました。
株価が上昇した銘柄としては、モデルナ(米国)、インサイト(米国)、イルミナ(米国)などが挙げられます。モデルナは、mRNAを使って体内でCAR-T細胞をつくる新しい治療プログラムについて、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患を対象とした臨床試験を2027年中に開始する計画を発表したことを受けて、革新的な新薬候補(パイプライン)への期待が高まったことなどが株価の上昇要因となりました。インサイトは、米国で既に承認を得ているアトピー性皮膚炎治療薬オプゼルラの欧州での承認の可能性が高まり、同治療薬の成長期待が高まったことなどを背景に株価が上昇しました。イルミナは、主力の遺伝子解析装置の普及拡大期待が継続していることなどが株価の上昇要因となりました。
株価が下落した銘柄としては、ギリアド・サイエンシズ(米国)などが挙げられます。ギリアド・サイエンシズは、同社のがん治療薬トロデルビの肺がんを対象とした治験で有効な結果が得られなかったことなどが株価の下落要因となりました。
■今後のバイオ医薬品市場見通し
バイオ医薬品株式市場では、かつては収益性の欠如が逆風となっていましたが、新薬を上市した中型のバイオ医薬品企業が高成長・高収益性を示し、セクター全体の利益水準の大幅な改善に貢献しています。この背景には、バイオ医薬品企業から良好な治験結果の発表が続いていることや、米食品医薬品局(FDA)による新薬承認件数が過去数年と同程度の高水準で推移していることなどがあり、景気動向に左右されることなく画期的な新薬が開発されていることが挙げられます。さらにAI(人工知能)が、創薬の最適化、開発、臨床試験、患者層別化、規制プロセスといった領域で大きな効果をもたらし、最終的には、個別化医療に向けた大きな一歩となるとみています。加えて、2025年に回復したバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)についても、大手の医薬品企業や大手のバイオ医薬品企業が大型治療薬の特許問題に直面し、パイプラインの強化が求められていることもあり、2026年も増加傾向が続くと期待されます。
バリュエーション(投資価値評価)面では、バイオ医薬品セクターは、他のセクターと比較して割高感はなく、AI・テクノロジー関連からの分散が意識される相場環境となった場合には、イノベーション銘柄の一角として注目を集める可能性があると考えます。
なお、バイオ医薬品株式は相対的に金利感応度が高く、中東情勢を受けたインフレ上昇と金利見通しの不透明感に大きく影響を受ける可能性がある点には引き続き留意が必要です。
■バイオ医薬品関連企業の売上高は新薬承認後の業績寄与などにより相対的に高い伸びに
バイオ医薬品関連企業の売上高は、堅調に成長してきました。(図表6参照)バイオ医薬品関連企業については、引き続き多くの有望な治療薬候補を有しており、新薬承認後の業績寄与が期待されていることから、今後3年間で年率+15.2%の相対的に高い売上高の伸びが予想されています。(図表7参照)
■売上高の伸びに沿って株価も上昇
過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表8参照)
■バリュエーション
バイオ医薬品企業の業績が景気動向に左右されにくい特性などが注目されて2021年夏頃までは株価が上昇し、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)の水準も上昇していましたが、2021年秋以降は新薬承認申請に対するFDAの予想外の決定などがマイナス要因となったことに加え、2022年半ばにかけてナスダック市場の下落が大きくなる中、ナスダック・バイオテクノロジー指数も下落したことからPSRも低下し、その後、低水準で推移してきました。ただし、2025年秋以降はバイオ医薬品株式の上昇を受けて、PSRも上昇しています。(図表9参照)
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