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- 2026年8月のバイオ医薬品市場
■バイオ医薬品関連企業の株価動向
8月のナスダック・バイオテクノロジー指数(ドルベース、配当含まず)は、大きく上昇しました。
世界の株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測などが重石となる場面もありましたが、AI(人工知能)関連分野への成長期待や、米財務省による長期国債の買戻し拡大の発表などを背景に上昇しました。このような中、バイオ医薬品株式は、モデルナがメルクと共同開発している悪性黒色腫患者を対象としたがんワクチンについて良好な治験結果を発表したことや、レボリューション・メディシンズの膵がん治療薬が米食品医薬品局(FDA)から承認を受けるなど、新薬開発や規制に関するポジティブなニュースが市場をけん引しました。また、活発なM&A(合併・買収)の動きや良好な決算発表、資金調達環境の改善などもバイオ医薬品株式市場の上昇要因となりました。
株価が上昇した銘柄としては、モデルナ、バーテックス・ファーマシューティカルズ、ギリアド・サイエンシズ、アムジェンなどが挙げられます。モデルナは、がんワクチンの治験について、良好な結果を発表したことを受けて、株価が急上昇しました。バーテックス・ファーマシューティカルズは、2026年4-6月期決算の発表を受けて、主力の嚢胞性線維症事業の強さに加え、IgA腎症治療薬の開発進展による腎臓領域の拡大期待、クリネティクス買収を通じた希少内分泌疾患領域への事業拡大期待などが高まったことから株価が上昇しました。ギリアド・サイエンシズやアムジェンについても、2026年4-6月期決算が市場予想を上回り、主力事業の堅調な成長が確認されたことなどが好感され、株価が上昇しました。
株価が下落した銘柄としては、ヴィアトリス、ジャズ・ファーマシューティカルズが挙げられます。ヴィアトリスは、2026年4-6月期決算が市場予想を上回り通期見通しも引き上げられたものの、好材料がすでに織り込まれていることや利益確定売りなどから株価が下落しました。ジャズ・ファーマシューティカルズは、2026年4-6月期決算の内容が嫌気され、株価が下落しました。
■今後のバイオ医薬品市場見通し
バイオ医薬品株式市場では、かつては収益性の欠如が逆風となっていましたが、新薬を上市した中型のバイオ医薬品企業が高成長・高収益性を示し、セクター全体の利益水準の大幅な改善に貢献しています。この背景には、バイオ医薬品企業から良好な治験結果の発表が続いていることや、米食品医薬品局(FDA)による新薬承認件数が過去数年と同程度の高水準で推移していることなどがあり、景気動向に左右されることなく画期的な新薬が開発されていることが挙げられます。さらにAIが、創薬の最適化、開発、臨床試験、患者層別化、規制プロセスといった領域で大きな効果をもたらし、最終的には、個別化医療に向けた大きな一歩となるとみています。加えて、2025年に回復したバイオ医薬品企業を
ターゲットとしたM&A(合併・買収)についても、大手の医薬品企業や大手のバイオ医薬品企業が大型治療薬の特許問題に直面し、パイプライン(新薬候補)の強化が求められていることもあり、2026年も増加傾向が続いています。
IPO(新規株式公開)については、徐々に再開する可能性があるとみていますが、投資家は引き続き選別的な姿勢を維持するとみられます。バリュエーション(投資価値評価)面では、バイオ医薬品セクターは、他のセクターと比較して割高感はなく、AI・テクノロジー関連からの分散が意識される相場環境となった場合には、イノベーション銘柄の一角として注目を集める可能性があると考えます。なお、バイオ医薬品株式は相対的に金利感応度が高く、インフレ圧力と金利見通しの不透明感に大きく影響を受ける可能性がある点には引き続き留意が必要です。
■バイオ医薬品関連企業の売上高は新薬承認後の業績寄与などにより相対的に高い伸びに
バイオ医薬品関連企業の売上高は、堅調に成長してきました。(図表6参照)バイオ医薬品関連企業については、引き続き多くの有望な治療薬候補を有しており、新薬承認後の業績寄与が期待されていることから、今後3年間で年率+16.3%の相対的に高い売上高の伸びが予想されています。(図表7参照)
■売上高の伸びに沿って株価も上昇
過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表8参照)
■バリュエーション
バイオ医薬品企業の業績が景気動向に左右されにくい特性などが注目されて2021年夏頃までは株価が上昇し、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)の水準も上昇していましたが、2021年秋以降は新薬承認申請に対するFDAの予想外の決定などがマイナス要因となったことに加え、2022年半ばにかけてナスダック市場の下落が大きくなる中、ナスダック・バイオテクノロジー指数も下落したことからPSRも低下し、その後、低水準で推移してきました。ただし、2025年秋以降はバイオ医薬品株式の上昇を受けて、PSRも上昇しています。(図表9参照)
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